VMwareは仮想ディスクの作成方法として「RDM」と「シックプロビジョニング」「シンプロビジョニング」を用意している。その中からRDMの仕組みを説明する。
仮想的なストレージである「仮想ディスク」は物理的なストレージに比べて、移植のしやすさとファイル保存の効率性に優れている。仮想化ベンダーのVMwareは
という3種類の仮想ディスク作成方法を用意しており、それぞれストレージの割り当て方が異なる。
これらの方法で作成した仮想ディスクは、それぞれ異なる特徴を持つ。それぞれの違いを把握すると、問題を引き起こすことなく、システムのストレージ割り当ての効率を向上できる。
RDMは、仮想マシン(VM)がストレージエリアネットワーク(SAN)にある個別のストレージに直接アクセスできるようにする。
シックプロビジョニングで作成した仮想ディスクは、ストレージを事前に割り当てることで待ち時間を短縮する。シックプロビジョニングは「Lazy Zeroed」「Eager Zeroed」の2種類がある。Lazy Zeroedの長所はすぐに仮想ディスクを作成できる点にあり、Eager Zeroedの長所はデータの読み書き速度とセキュリティが優れている点にある。
シンプロビジョニングで作成した仮想ディスクは、ストレージのうち仮想ディスクに割り当てられた領域を複数のVMに配分することで、ストレージの利用効率を最適化する。
RDMを使用すると、VMはストレージの識別番号であるLUN(論理ユニット番号)を参照して、SAN内のストレージに直接接続できる。
VMのデータは、RDMではVMwareのファイルシステム「VMFS」(Virtual Machine File Systems)のボリュームに格納されない。VMFSのボリューム(ストレージ領域)にある、VMの作業ディレクトリ内の小さなディスク記述子ファイルに格納される。
RDMには「仮想互換モード」と「物理互換モード」という2種類の機能がある。仮想互換モードはデータ保護のためのファイルロック機能とスナップショットを利用可能にし、物理互換モードは制御対象のストレージのほぼ全てのハードウェア機能にアクセスできるようにする。
中編はシックプロビジョニングの2つの種類、Lazy ZeroedとEager Zeroedの違いを説明する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
さまざまなメリットをもたらす仮想化環境だが、2023年にVMwareが買収されたことで、ユーザー企業は難しい判断を強いられている。そこで、コストメリットも大きい、仮想化環境のモダナイゼーションの方法について解説する。
データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。
OSの移行には「データ移行」が付き物だが、その業務負荷の高さに悩まされているIT管理者は多いだろう。Windows 11への移行を進める前に知っておきたい、「データレスPC」の有効性や、導入で得られる“プラスα”のメリットを解説する。
技術や市場の変化が激しい自動車業界にあって、長年、数多くの自動車メーカーに部品を供給してきた東海理化。同社は変化に柔軟に対応するためのDX推進に当たって、これまで運用してきたレガシー仮想環境からの移行を断行する。
ハイブリッド/マルチクラウドへ移行する企業のIT環境だが、クラウド同士の連携は複雑な上に、運用も非効率になりがちだ。そこで、この問題を解消するためのハイブリッド/マルチクラウドプラットフォームを紹介する。
VMwareからの移行で新たな価値を得るための“最適な移行先”を探る (2024/11/5)
VMware対策に追われるSIer 課題は「移行先の選定」だけではなかった (2024/7/31)
VDI第三の選択肢は「高い、設計が難しい、コストがかさむ」を解消できるか (2024/3/28)
“VMwareの急変”に苦悩するIT部門をNutanixとOpenShiftが救う理由 (2024/3/21)
オンプレミスを撤廃したい企業に立ちはだかる「移行の壁」、その越え方とは (2024/3/15)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。