「RDM」(RAW Device Mapping)とは? VMware仮想ディスクの作成方法VMwareの仮想ディスク作成方法を比較【前編】

VMwareは仮想ディスクの作成方法として「RDM」と「シックプロビジョニング」「シンプロビジョニング」を用意している。その中からRDMの仕組みを説明する。

2022年01月11日 12時00分 公開
[Stefani MunozTechTarget]

 仮想的なストレージである「仮想ディスク」は物理的なストレージに比べて、移植のしやすさとファイル保存の効率性に優れている。仮想化ベンダーのVMwareは

  • RDM(RAW Device Mapping)
  • シックプロビジョニング
  • シンプロビジョニング

という3種類の仮想ディスク作成方法を用意しており、それぞれストレージの割り当て方が異なる。

 これらの方法で作成した仮想ディスクは、それぞれ異なる特徴を持つ。それぞれの違いを把握すると、問題を引き起こすことなく、システムのストレージ割り当ての効率を向上できる。

「RDM」とは? まずは3つのVMware作成方法をおさらい

 RDMは、仮想マシン(VM)がストレージエリアネットワーク(SAN)にある個別のストレージに直接アクセスできるようにする。

 シックプロビジョニングで作成した仮想ディスクは、ストレージを事前に割り当てることで待ち時間を短縮する。シックプロビジョニングは「Lazy Zeroed」「Eager Zeroed」の2種類がある。Lazy Zeroedの長所はすぐに仮想ディスクを作成できる点にあり、Eager Zeroedの長所はデータの読み書き速度とセキュリティが優れている点にある。

 シンプロビジョニングで作成した仮想ディスクは、ストレージのうち仮想ディスクに割り当てられた領域を複数のVMに配分することで、ストレージの利用効率を最適化する。

データ入出力が多いアプリに役立つ「RDM」

 RDMを使用すると、VMはストレージの識別番号であるLUN(論理ユニット番号)を参照して、SAN内のストレージに直接接続できる。

 VMのデータは、RDMではVMwareのファイルシステム「VMFS」(Virtual Machine File Systems)のボリュームに格納されない。VMFSのボリューム(ストレージ領域)にある、VMの作業ディレクトリ内の小さなディスク記述子ファイルに格納される。

 RDMには「仮想互換モード」と「物理互換モード」という2種類の機能がある。仮想互換モードはデータ保護のためのファイルロック機能とスナップショットを利用可能にし、物理互換モードは制御対象のストレージのほぼ全てのハードウェア機能にアクセスできるようにする。


 中編はシックプロビジョニングの2つの種類、Lazy ZeroedとEager Zeroedの違いを説明する。

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