高まるAzureの重要性
「Microsoft Azure」の“AWS超え”なるか 関連製品を一気に拡充へ
Microsoftが「Microsoft Azure」関連の製品/サービスの充実を急いでいる。クラウドを将来の中枢に据え、クラウド市場の最大のライバルAmazon Web Servicesに対抗しようとする同社の姿勢が垣間見える。
Microsoftは、同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」の機能を活用した、多数の製品やサービスを公開した。Azureを同社の主要戦略を支える原動力にする構えだ。このことは、最大のライバルAmazon Web Services(AWS)に真っ向から対抗することを意味する。
2018年9月後半に米フロリダ州オーランドで開催した「Microsoft Ignite 2018」で、Microsoftは70種類以上の製品/サービスを公開した。テクニカルプレビュー版から現製品の強化版まで多岐にわたり、機械学習をはじめとする人工知能(AI)技術が組み込まれていたり、Azureと連携したりする製品/サービスも少なくない。
「こうした動きは、AzureがMicrosoftの未来を意味し、AWSのあらゆるビジネスへの対抗馬としての位置付けを得たことを示す」。こう話すのは、調査会社Forrester Researchのバイスプレジデント兼プリンシパルアナリストを務めるデイブ・バルトレッティー氏だ。
Microsoftが戦略構想の中枢にAzureを据えたのは、驚くことではない。ここ数年、同社は「クラウドファースト」の旗の下、あらゆる中核製品のクラウド版を提供する取り組みを続けている。現在、クラウド分野に関して同社の最大のライバルとなるのがAWSだ。「MicrosoftはAzureに全力を傾けるべきだ。同社の戦略には今のところAzureが欠かせない」。調査会社451 Researchでリサーチアナリストを務めるカール・ブルック氏は、こう語る。
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Microsoft、AWS、Google以外の選択肢
「Windows Server」「Azure Stack」を強化
MicrosoftのサーバOS最新版「Windows Server 2019」は、オンプレミス環境とAzureの橋渡しを目的とする。新版を年に2回公開するリリースモデル「半期チャネル」に基づく「Windows Server Version 1809」は、コンテナとマイクロサービスを重視するユーザー企業を視野に入れている。
Azureの主要機能をオンプレミス環境で実現するアプライアンスの「Azure Stack」は、配置可能な最大ノード(サーバ)数をこれまでの12ノードから、16ノードへ強化した。Microsoftは大手顧客によるAzure Stackの導入を伝えているが、一部のアナリストは同製品の採用はあまり進んでいないと考えている。「認知が遅れているのが主な理由で、Microsoftはこの件に関して沈黙を守っている」と、451 Researchのブルック氏は言う。
最大ノード数の拡大は、Azure Stackの勢いが増していることを示している、という見方もある。「Azure Stackでは従来の環境でも既に多くのことが可能だ。16ノードまで拡大することで。関心を寄せる大手顧客は増えるだろう」と、Forrester Researchのバルトレッティー氏は言う。
クラウドを使って機械学習を拡大するMicrosoft
Microsoftは機械学習サービス「Azure Machine Learning」の強化版も公開した。AIモデルの構築やトレーニングの速度を上げ、適切なアルゴリズムを特定できるよう開発者を支援する。
オフィススイート「Office 365」全体にAI技術を組み込む「Ideas」という新機能もある。例えばエンドユーザーが、プレゼンテーションツールの「Microsoft PowerPoint」でスライドを作成する際、Ideasがスライドのデザインや画像の追加などの提案をする。
Office 365にもたらされる段階的なAI技術関連の強化は、大手ユーザー企業がクラウドサービスを検討するきっかけにはなるだろうと、アナリストは分析する。「Office 365は、Microsoftが大手顧客を取り込み、同社のサブスクリプションモデルを強固にしてきたクラウドの主力サービスだ」と、調査会社Directions on Microsoftでアナリストを務めるジョシュア・トゥルーピン氏は話す。
「そのOffice 365の成功に匹敵するぐらい、Azureの利用状況が急速に伸びている」とトゥルーピン氏は続ける。Microsoftは、Azureとの間でデータをやりとりする製品のラインアップを強化している。現在プレビュー版のネットワークアプライアンス「Azure Data Box Edge」は、オンプレミスのデータを分析/変換した上で、クラウドにアップロードする。
AWSの「AWS Snowball」に対抗するデータ転送用デバイス「Azure Data Box」は、大容量データをAzureにオフライン転送するために、100TBのストレージを備える。現在プレビュー段階だが、1P(ペタ)B版の「Azure Data Box Heavy」もある。
企業がクラウドに掛ける費用が、オンプレミス製品に従来掛けていた費用に近づいている。パブリッククラウドを利用していた大手企業が、多くのクラウドサービスを利用するようになり、それが標準になるだろう。
あるアナリストは次のように指摘する。「AWSとMicrosoftは、どちらが一番多くの製品/サービスを提供するかを競い、一進一退を繰り返している。両社は競争力を維持するため、こうした競争は避けられないと感じている」
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