IaaS比較は落とし穴ばかり 「Amazon、Microsoft、Googleから選ぶ」では失敗する?クラウドビッグ3だけではない選択肢

さまざまなメリットがあるパブリッククラウド。どのクラウドベンダーを選ぶかは難しい問題だ。復旧性、ハイブリッドクラウドのサポート、データサービスなど、ベンダーが提供する機能を慎重に評価する必要がある。

2017年12月26日 05時00分 公開
[Jim O'ReillyTechTarget]

 IaaS(Infrastructure as a Service)を選ぶときはまず、クラウドサービスのどういった機能を利用するのかを把握する必要がある。

 Synergy Research Groupが2017年に公開した調査によると、IaaSは数多く存在するが、Amazon Web Services(Amazon)、Google、Microsoftといった大手クラウドベンダー3社による「Amazon Web Services」(AWS)、「Microsoft Azure」(Azure)、「Google Cloud Platform」(GCP)の3サービスとIBMの「IBM Cloud」が市場収益の63%を占めるという。だが参入しているクラウドベンダーは相当数に上る。Rackspaceをはじめとして、DigitalOceanのように小規模だが特定の市場をターゲットとするクラウドベンダーなど多岐にわたる。

 自社のニーズに合ったIaaSを選ぶことは複雑で難しい。性能や価格がクラウドベンダー間で標準化されていないことがその一因だ。米国とヨーロッパの主要パブリッククラウドに対し、仮想マシン(VM)インスタンスとストレージの性能で比較したランキングを作成しているCloud Spectatorのような企業もあるが、パブリッククラウド分野で信頼性の高いベンチマークレポートを見つけるのは依然として困難だ。

 それでもIaaSを選ぶ場合は、さまざまな機能や要素を基に比較し、評価しなければならない。比較する機能や要素には、信頼性、地理的規模、価格、ハイブリッドクラウドをサポートする能力などがある。

VMのオプションと性能

 各クラウドサービスのVMは、同じような構成に見えても性能や価格に違いがある。その原因はCPUの速度や機能の差異などハードウェアの違いによるものもあれば、VMにパススルーするソフトウェアや構成の違いによるものもある。

 Cloud Spectatorによると、同じ構成でもVM本来の性能が2倍も変わることがあるという。入出力性能ではその差がさらに広がり8倍に達する。ただし、これはRackspaceのクラウドサービスの突出した数値で、他クラウドサービスは全て3倍以内に収まっているという。

ITmedia マーケティング新着記事

news057.jpg

ピザハットが新展開 まさかのTikTok動画活用法とは?
Pizza HutがUAEを中心に「トレンド払い」キャンペーンを展開している。TikTokのトレンド...

news056.jpg

「レシピチェック」「少額決済」はデジタルが多数派に 逆にアナログでないとだめな活動とは?
博報堂生活総合研究所は、直近1年間における暮らし全般のデジタル化の度合いを調べる「生...

news072.jpg

ホワイトペーパー制作が続かない! 苦しまず量産するため、どうすればいい?
前編ではB2B企業にとって本来あるべきホワイトペーパーの役割と成果を出すための3つの使...