さまざまなメリットがあるパブリッククラウド。どのクラウドベンダーを選ぶかは難しい問題だ。復旧性、ハイブリッドクラウドのサポート、データサービスなど、ベンダーが提供する機能を慎重に評価する必要がある。
IaaS(Infrastructure as a Service)を選ぶときはまず、クラウドサービスのどういった機能を利用するのかを把握する必要がある。
Synergy Research Groupが2017年に公開した調査によると、IaaSは数多く存在するが、Amazon Web Services(Amazon)、Google、Microsoftといった大手クラウドベンダー3社による「Amazon Web Services」(AWS)、「Microsoft Azure」(Azure)、「Google Cloud Platform」(GCP)の3サービスとIBMの「IBM Cloud」が市場収益の63%を占めるという。だが参入しているクラウドベンダーは相当数に上る。Rackspaceをはじめとして、DigitalOceanのように小規模だが特定の市場をターゲットとするクラウドベンダーなど多岐にわたる。
自社のニーズに合ったIaaSを選ぶことは複雑で難しい。性能や価格がクラウドベンダー間で標準化されていないことがその一因だ。米国とヨーロッパの主要パブリッククラウドに対し、仮想マシン(VM)インスタンスとストレージの性能で比較したランキングを作成しているCloud Spectatorのような企業もあるが、パブリッククラウド分野で信頼性の高いベンチマークレポートを見つけるのは依然として困難だ。
それでもIaaSを選ぶ場合は、さまざまな機能や要素を基に比較し、評価しなければならない。比較する機能や要素には、信頼性、地理的規模、価格、ハイブリッドクラウドをサポートする能力などがある。
各クラウドサービスのVMは、同じような構成に見えても性能や価格に違いがある。その原因はCPUの速度や機能の差異などハードウェアの違いによるものもあれば、VMにパススルーするソフトウェアや構成の違いによるものもある。
Cloud Spectatorによると、同じ構成でもVM本来の性能が2倍も変わることがあるという。入出力性能ではその差がさらに広がり8倍に達する。ただし、これはRackspaceのクラウドサービスの突出した数値で、他クラウドサービスは全て3倍以内に収まっているという。
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