医療や金融、行政など、特定の業界やビジネスモデルでの利用に特化したクラウドサービスを「バーティカルクラウド」(特定業界向けクラウド)と呼ぶ。(続きはページの末尾にあります)
日本医学放射線学会(JRS)が運用する「日本医用画像データベース」(J-MID)がクラウドに移行し、稼働を開始した。AI技術の活用をはじめとした研究開発の加速が狙いだ。
グローバル医療サービス会社のBupaは、ITインフラのクラウドサービス移行を進め、オンプレミスデータセンターからの脱却を図っている。その理由とは
米国医療機関の先行事例から、医療分野のIoT活用に必要なネットワークインフラの要件が見えてくる。IoTが急速に進化すれば、人体に組み込んだIoTデバイスを利用した医療行為も現実になるかもしれない。医療IoTのトレンドを見てみよう。
「Tiger Bridge」はオンプレミスのストレージとクラウドサービスを連携させたファイル共有機能を持つ。このツールが医用画像の管理に使えるのはなぜなのか。
ニコンの子会社が、病理標本画像の保管・共有のワークフローを効率化する病理クラウドサービスを6月から提供する。インターネット経由でどこからでも病理標本画像を閲覧できるようになる。
診療録を始めとする医療情報の保管は、医療機関にとって大きなテーマである。しかし、手間もコストも掛けられないのが現状だ。そのジレンマを解くカギは、意外にもすぐそこにあった。
Tiger Technologyは医療機器メーカーと連携し、医用画像の共有と長期保管にまつわる課題の解決に取り組んでいる。Tiger Bridgeは病理診断科でどのように役立つのか。
クラウドサービスを利用するあらゆる組織は、セキュリティをクラウドベンダー任せにしてはならない。セキュリティ対策を負担と捉えず、システムの品質を高める取り組みと捉えるために考えるべきことは。
サイバー攻撃の脅威にさらされている医療機関が、なぜクラウドサービスの導入を検討すべきなのか。調査結果を基に考察する。
GEヘルスケア・ジャパンは3月30日、2012年度戦略発表と新製品群を発表した。医療機器だけでなく、超高齢化社会における医療の在り方を変える医療サービスの提供を目指す。
大抵の組織は、汎用(はんよう)のクラウドサービスでシステムを構築できる。しかし法規則や業務プロセスなどにおいて、システムの構築や管理のために特殊な要件を満たす必要がある業界も存在する。クラウドベンダーはバーティカルクラウドを通して、特殊なシステム要件を満たさなければならないユーザー組織のニーズに応える。
例えば米国の医療機関や医療サービス企業は、「医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令」(HIPAA)に従って、データのプライバシーを確保する必要がある。そのため医療業界に属する組織は、HIPAA準拠のクラウドサービスや、電子カルテ(EMR:電子医療記録)といった業界専用のアプリケーションを提供するクラウドベンダーを選択している。
バーティカルクラウドのニーズがある業界の例として、以下の業界が挙げられる。
クラウドサービスは、インフラの拡張性を高めたり、オンデマンドでの利用を実現したりするなどのメリットをもたらす。従量制課金で利用できるため、オンプレミスのソフトウェアやハードウェアへの初期投資を減らしやすい。バーティカルクラウドはこうしたクラウドサービスのメリットを提供すると同時に、特定の業界ならではのニーズを満たす。
ターゲットとなる顧客層を1つの業界に絞ったクラウドサービスが、バーティカルクラウドだ。ユーザー組織固有の事情に沿った、きめ細かいサポートサービスを提供するバーティカルクラウドベンダーは少なくない。
バーティカルクラウドの課題として、料金競争が起きづらい点が挙げられる。汎用のクラウドサービスと比較して、競合サービスが少ない傾向があるからだ。
Amazon Web Services(AWS)は政府機関向けのバーティカルクラウドとして「AWS GovCloud」を用意する。AWS GovCloudは、特別に分離したリージョン(地域データセンター群)を提供。機微なデータを扱い、厳しい規制が課せられる政府機関のアプリケーションで利用しやすくした。他にはOracleの製造業向けデータ分析サービス「Oracle Fusion Cloud Manufacturing」などがある。