「二重通信ミスマッチ【前編】」では、二重通信コンフリクトそれ自体の特質について解説した。今回は、その歴史的背景、将来的な見通し、そしてベストプラクティスについて論じたい。
ネットワーク技術が進歩しているにもかかわらず、二重通信のコンフリクトは容易になくなりそうにもない。この問題はイーサネットの進化とともに微妙に進化してきた。多くの場合、生半可な対策では何の解決にもならず、かえって問題があいまいになるだけである。「二重通信ミスマッチ【前編】」では、二重通信コンフリクトそれ自体の特質について解説した。今回は、その歴史的背景、将来的な見通し、そしてベストプラクティスについて論じたい。
今日、ほとんどのケーブルシステムが全二重通信をサポートしており、半二重モードの必要性は大きく低下した――少なくとも、人々はそう考えたがっている。半二重モードが使われなくなれば、二重通信コンフリクトもなくなるはずなのだから。いずれにせよ、半二重通信の使用は、意識的に呼び出さなければならないか、全二重通信が不可能または不適切な特殊状況においてのみ利用されるオプションとなるべきだ。半二重通信は元来、送信側と受信側がメディア(1対のケーブルなど)を共有するための手段であったのだ。
しかしこれまで、レガシーインタフェース(半二重通信のみをサポート)、低価格NIC(多くのシンプルなイーサネット対応デバイスに搭載)、両方の二重通信モードをサポートするという傾向が支配的だった。イーサネットは半二重モードと決別することなく、まるで無精ひげのように、それをいつまでも残しているのだ。10ギガビットイーサネット規格であるIEEE 802.3.abにも半二重モードが残されている(ただし同規格は4対の導線を要件としている)。ただ幸いなことに、業界は基本的に半二重通信をサポートしない方向を選択した。10ギガビットイーサネット規格(UTPケーブル用の802.3an)のリリースでは、ついに半二重通信に関する規定がなくなった。
それよりも重要なのは、複数の速度(10/100/1000Mbpsなど)をサポートする最近のNICでは、低速モードが半二重通信をどうしてもサポートしなければならないことだ。ギガビットイーサネットが登場する前は、二重通信コンフリクトはパフォーマンス低下の最も一般的な原因だった。NASA(米航空宇宙局)が2001年に実施した調査によると、ネットワーク問題の75%が二重通信コンフリクトに関連したものだった。ギガビットイーサネットでは半二重モードの実際的価値がなくなるため、この問題が解消するかと思われた。しかし実際には、それとは逆の影響が現れたのである。
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