ネットワークというものはとらえどころがなく、pingやtracerouteを使っても全体像をつかむのは難しい。
pingは、ネットワーク行動主義に基づく古典的ツールである。pingを使えば、ネットワーク機能の特定の状態を判定することができる。状態の判定は、日々のネットワークのトラブルシューティングに不可欠だ。特に、接続性に関する2値(つまり接続しているか否か)問題を解決してくれる。だがこれは、ネットワークで何が起きているかを把握するための広範な行動主義手法の中でも、最も単純な例にすぎない。
ネットワーク行動主義では、ネットワークは一種のブラックボックスであり、あなたはそれについて先験的知識を持っていないことが前提とされる。ネットワークに適切な刺激を与えてその反応を分析し、分析モデルを慎重に適用することにより、このブラックボックスの内部状態を判定することができる。これにより、ネットワークを構成するデバイス(インタフェース、スイッチ、ルータなど)にアクセスしなくても、特定のネットワークパス(経路)を見通すことが可能になる。
パケットは、ネットワークに刺激を与える手段を提供する。ネットワークの挙動の一般的パターン、そしてネットワーク標準に関する知識は、分析モデルを提供する。従って、特定の刺激を与え、起こり得るネットワーク応答を既知の状態と照らし合わせることにより、内部状態(接続性など)を識別することができる。
こんな説明は、単純なことを難しくするだけだ。つまりpingでは、ICMP Echoパケットを特定のIPアドレスに送信し、ICMP Echo Relayパケットを受信するだけで、ネットワークパスに接続性が存在すると断定することができる。pingは単純なツールだが、興味深い可能性を示している。
もちろん、実際のネットワークは理論上のものとは違い、刺激に対する反応は一定ではない。pingは通常、このプロセスを2回以上繰り返した後で、応答の統計的リミットを評価する。これにより、応答のラウンドトリップ時間(RTT)の統計的分散を損失(RTTが無限大の場合)も含めて大ざっぱに推定できる。この追加情報から、ネットワークパスへの見通しが少しだけ良くなる。
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