1980年代から徐々に進化
いまさら聞けない、自動で電話をかけまくる「オートダイヤラー」とは?
電話をかける作業を自動化する「オートダイヤラー」には幾つかの種類がある。電話応対業務にどのように生きるのか。主要な5種の機能を解説する。
ダイヤル式の電話があった時代は遠い過去の話だ。今日のコールセンターは、オペレーターが顧客サポートを容易にできるようにするため、さまざまな技術を採用している。
顧客に対して自動的に架電(電話をかけること)をする「オートダイヤラー」がコールセンターに初めて導入されたのは1980年代で、それ以来、この機能はコールセンターにおける発信業務を支えている。多数の顧客に対して同時に架電するプレディクティブダイヤラーは、オートダイヤラーの一つだ。
「オートダイヤラーは包括的で便利な言葉だ。架電のプロセスを自動化するさまざまなダイヤラーがあるが、その全てをオートダイヤラーという言葉が包含している」。コールセンター向けのソフトウェアを提供するSJS Solutionsのスコット・サックス氏はこう語る。
併せて読みたいお薦め記事
顧客応対を向上させる「チャットbot」とは
- いまさら聞けない「自然言語処理」「チャットbot」とは 音声技術ミニ用語集
- カスタマーサポートのチャットbotが人間よりも優れている点
- 徹底比較:AWS、Google、Azureのチャットbot開発基盤はどれが最適?
コールセンターに取り入れるAI機能
オートダイヤラーは、次の5つのカテゴリーに分類される。
1.プレビューダイヤラー
「プレビューダイヤラー」は、オートダイヤラーの最も単純なタイプと言える。オペレーターは自分のコンピュータを使って、データベースから発信先の情報を引き出し、それを事前に確認してから発信できる。ボタンにタッチするなどの操作をすると、発信される。オペレーターは電話番号を探して番号を入力する必要がないため、時間を節約できる。
2.プレディクティブダイヤラー
前出のプレディクティブダイヤラーは、多数の電話番号に自動的に発信し、最初に電話に出た相手をオペレーターにつなぐ。アルゴリズムがオペレーターの平均通話時間を基に、あらかじめ設定した間隔で発信をスケジューリングする。システムが100件以上の電話番号に次々と自動発信し、オペレーターは相手が応答した場合にのみ電話で応対する。相手が不在や話し中だった場合は、オペレーターは関わらずに済むため、オペレーターの待ち時間が減少する。
3.プログレッシブダイヤラー
「プログレッシブダイヤラー」はプレディクティブダイヤラーと同様、多数の電話番号に自動的に発信し、最初に電話に出た相手をオペレーターにつなぐ。プレディクティブダイヤラーと異なるのは、あらかじめ設定した間隔で発信するのではなく、オペレーターが通話を終えたら、直ちに自動的に発信する点だ。
4.パワーダイヤラー
プレディクティブダイヤラーと同様、「パワーダイヤラー」は多数の電話番号に自動発信し、最初に電話に出た相手をオペレーターにつなぐ。プレディクティブダイヤラーがアルゴリズムに基づいて自動発信するタイミングを決定するのに対して、パワーダイヤラーはコールセンターが決定したスケジュールに従って自動発信するように設定する。つまりは、アルゴリズムではなく企業の担当者が発信頻度と発信数を決定する。
5.文字通りのオートダイヤラー
オペレーターを全く必要としないオートダイヤラーもある。こうしたオートダイヤラーは、コールセンターの発信リストに沿って順次発信し、電話に出た相手に対して、事前に録音したメッセージを流して、詳しい情報が欲しい場合には相手から連絡してもらう。こうしたいわゆる「ロボコール」は、チャットbotのようにオペレーターを介さずに問い合わせに答えられる機能を搭載している場合もある。
最終的にどのような種類のオートダイヤラーを選択しても、コールセンターの顧客応対の効率を大幅に高めることができるだろう。ただし、こうした機能を適切に運用することが前提になる。
オートダイヤラーの成功の鍵を握るのは「発信頻度の調整だ」とサックス氏は指摘する。「かかってきた電話に対して顧客が『もしもし、もしもし、もしもし』と何度も言ってから、オペレーターが応対し始めたとすれば、発信頻度の調整がうまくいっていないということだ」(同氏)。適切に計算して調整されていれば、電話に出た顧客が「もしもし」と言ってから2秒以内に、オペレーターにつながるだろうと同氏は説明する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社kickflow] 2社の事例に学ぶワークフロー改革:属人化解消や年数万件の申請書類削減のコツ -
製品資料
[NTTPCコミュニケーションズ株式会社] 「回線速度不足」だけが原因ではない? Web会議の遅延を解決する方法とは -
製品資料
[東京エレクトロン デバイス株式会社] 工場の可用性向上に重要な「7つの領域」と対策 OTセキュリティ強化の基礎知識 -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 問い合わせ対応で本来の業務が進まない、総務や情シスの負担をどう減らす? -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 自社データから高精度な回答を生成、簡単に生成AIチャットボットを構築する方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ITエンジニア1265人調査 生成AIを使い込むほど「人の確認」が重い理由
-
2
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
5
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
6
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
7
IT予算が10%増えたら何に使う? 著名企業のCIOが明かす「最優先の投資先」
-
8
AI活用か新たな脅威か OpenAI自律エージェントがRubyGemsを急襲
-
9
音声もFAXもメールで確認――ユニファイドメッセージの業務効果
-
10
機械学習について、正しく説明している文章はどれ?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
8
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー