2008年05月30日 08時00分 公開
特集/連載

【Q&A】顧客重視を通じて株主利益を高めるにはAsk The Expert

どのような会社にとっても、顧客は唯一の収入源だ。それを理解できれば、顧客軽視が株主のためになるという考えはばかげていることも理解できるだろう。

[Don Peppers, Martha Rogers,TechTarget]

質問:わたしの組織では、株主のニーズが顧客ニーズより優先されることがあります。株主利益と同じくらい、顧客ロイヤリティと信頼に重きを置くためには何ができるでしょうか。顧客生涯価値が、株主のために創出される会社の価値にどのような影響を与えるかも教えてください。

 顧客生涯価値は、会社が株主のために作り出す価値と同じことだ。実際どのような会社にとっても、顧客は唯一の収入源だ。製品は金を払ってくれないし、ブランドも金を払ってくれないし、わたしたちが時間を費やすことも、発明も、創造も、日々の労働も金を払ってはくれない。このことを理解すれば、顧客利益が株主利益と極めて密接に結び付いている理由が分かりやすくなり、顧客軽視が株主のためになるという考えは近視眼的なだけでなく、まったくばかげていることも理解できるようになるだろう。

 以上のような理由から、顧客が今現在、どのくらいの価値を作り出してくれているかをしっかり認識していることが重要だ。しかし、顧客の購買力や「ある会社と取引したい」という意欲は増減するものだということを、はっきり理解している会社は少ない。つまり、現在の顧客価値と同様、将来の顧客価値についても関心を持っておかなければならない。このことを理解できれば、当期の業績が顧客の公平と株主利益の創出に基づくものなのか、それとも将来の顧客の公平と株主利益を犠牲にしたものかが理解できる。企業が顧客ロイヤリティと企業への信頼、株主利益について別々に考えるのはほとんど無意味だ。それよりも、自分たちが日々やっていることが当期そして長期的に見て顧客価値を高めているのか低めているのかをじっくり考えるべきだろう。

 つまり、顧客ロイヤリティと顧客の信頼は、株主利益を築くための非常に重要な2つの手段だと認識することが大切だ。これは相反するものではない。互いに完全に依存するものだ。顧客価値と顧客の公平を確立しなければ、会社の未来の利益も株主の利益もない。これを理解・測定・管理できれば顧客に喜ばれ、ひいては株主に喜ばれる。さらに従業員にも喜ばれ、組織を構成するあらゆる関係者の役に立つ。収入源は顧客だという理解があればこそだ。

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