流通BMS対応製品紹介
社内外一貫のデータ連携を実現する流通BMS対応EDI「ACMS E2X」
流通BMSで企業間のデータ連携が効率化する一方で、業務システムが分断したままの社内では、業務の不連続性が課題となっている。「ACMS E2X」は企業間・企業内を問わないデータ連携を実現するEDIサーバだ。
流通BMS対応でクローズアップする社内データ連携の問題
一般的にEOS(Electronic Ordering System:電子発注システム)は、小売が各地の店舗から発注情報を本部に集め、締めの時間になると卸が一斉にそのデータを取りに来る「プル型」の仕組みである。そのため、時間に束縛される、場合によってはデータの取り込みに数時間を費やす、などといった非効率さが課題だった。
流通業界の新しいEDI(Electronic Data Interchange)標準である流通BMSはそれを大幅に短縮できるが、注目すべきは各店舗が自分たちのスケジュールで取引先に発注できる「プッシュ型」のEDIが可能になることだ。国内に数百の店舗を構える巨大スーパーマーケットであっても、各店舗が締め時間に縛られることなく取引先のサーバへデータを送ることができるし、変更や取り消しも店舗端末で可能になる。一方、取引先も都合の良いタイミングでサーバからデータを引くことができる。双方の縛りがなくなり独立したスケジュールで動けることこそ、流通BMSがもたらす最大のメリットといえる。
しかし、EDIで取引先間での制約が解消されると、今度は企業内のデータ交換、すなわちEAI(Enterprise Application Integration)の制約がクローズアップされてくる。取引先からの注文に対し、社内では受注、在庫引き当て、出荷指示、出荷完了通知というプロセスをFTPなどのファイル転送を使って人力でつなげているケースは少なくない。受注業務と在庫管理、物流業務を担うシステムが分断されているのだ。
そこで、EDIによる企業間取引のみならず、EAIで社内の分断されたシステムを1つに統合し、社内外のデータおよびアプリケーションを連携するツールとして、データ・アプリケーション(DAL)の「ACMS E2X(Extended Enterprise data eXchange)」が注目されている。単なるEDIやEAIではないというのがこの製品のポリシーだ。
機能単位で複数サーバに分散配置
ACMS E2Xの特徴は大きく3つある。1つは、マルチプラットフォームによるサーバ間連携の自動化である。ACMS E2Xは、国内外のほとんどの標準通信プロトコルに対応し、既存システムとも容易に接続できる豊富なインタフェース(アダプター)を備える。そのため、業務システムをさまざまな拠点に配置してもOSを問わずにACMS E2Xがそれらを連携させ、1つの管理画面ですべての機能コントロールと状況把握ができる。また、個々のサーバでバックアップを行う必要もない。
2つ目は、分散サーバアーキテクチャの採用による高度なリスク分散と耐障害性だ。セキュリティの強化やシステムの拡張、負荷軽減のために、通信機能や業務アプリケーションを機能単位で複数サーバに分散配置できる。あるサーバに障害が起きたとしても、自動縮退運転機能と自動復旧機能によってシステムダウンを回避し、サービスレベルを維持する。
「Any to Any」の多様なデータフォーマット変換
そして3つ目が、多様なデータフォーマット変換への対応である。受発注業務は顧客ごとに取引先コードや商品コード、単位の扱いなどが異なるため、EDIではデータの変換が必ず付きまとう。ACMS E2Xではルールを定義することにより、「Any to Any」の高度なフォーマットの変換や項目の変換、レコードレイアウトの変換ができる。また、SAP ERPとの連携も強化し、IDoc(※1)ベースでシステム連携することで、異なるシステム間のデータ連携をシンプルに統合でき、ERP周辺アプリケーションの有効活用が可能になる。
(※1)Intermediate Documents:SAP R/3間、または SAP R/3とほかのシステムとの間でデータの交信を行うためにSAPが開発した中間ファイルの総称。
これらの機能により、これまで手組みで組んでいたプログラム開発の工数や管理コストを大幅に削減できることになる。
ACMS E2X導入事例ハイライト
丸紅株式会社
大手総合商社の丸紅は、各種業務サーバとEDIサーバの連携が個別に行われシステム環境の複雑化とコストの増加が課題となっていた。2007年にACMS E2Xへ全面移行することで、36の業務システムと65台のサーバ連携を再構築し、社内で利用される3000種類のデータファイルを1日当たり1600ファイル、容量にして平均2.8Gバイトのデータを交換している。40~50分かかっていた伝送がわずか数分で完了するようになり、伝送ツールが不要になったことで保守費用も半分以下にできたという。
株式会社成城石井
大都市圏を中心に出店している中堅スーパーマーケット成城石井は、取引先の企業規模や取引形態が多岐にわたるため、JCA手順やWebEDI、取引先の独自システムなど運用が混在し、受発注業務が煩雑を極めていた。そこで流通BMSに移行すべく、2009年3月からACMS E2Xを段階導入。全60拠点の店舗での発注業務を一本化するとともに、約500社の取引先も流通BMSへ対応し、受発注業務の効率化に成功している。
流通BMSに必要なすべての通信手順の相互運用性を確認
今後、流通BMS運用でマーケットリーダーを目指すACMS E2Xは、流通BMSが条件とする3つの標準通信プロトコルの相互運用性を強化している。「ebXML MS(※2)」については、2008年にebXMLアジア相互運用性認定を取得している。また「EDIINT AS2(※3)」についても米Drummond Groupが実施する相互運用テストで認定を受けた。さらに、日本独自の「JX手順(※4)」は、2008年10月に実施されたソフトウェアベンダー7社によるEDIパッケージ接続テストにおいて相互接続性が確認されている。必要なすべての通信手順の相互運用性が認められたACMS E2Xが、今後流通BMSの普及と推進に少なからず影響を与えいくことは明らかだろう。
(※2)electronic business XML Message Service:UN/CEFACTとOASISが共同で開発した次世代EDIの国際標準ebXMLの通信プロトコル。データ発生の都度プッシュ型で相手に送るサーバ方式。アジアを中心に実装が拡大している。
(※3)Electronic Data Interchange-Internet Integration Applicability Statement 2:IETF(The Internet Engineering Task Force)が策定した国際標準の通信プロトコル。ウォルマートを中心に、国際レベルでの流通調達で普及している。取引量が多くリアルタイムなデータ送受信を実現したい企業向け。
(※4)分散環境でのXMLによるデータ交換の規約であるSOAPを利用したプル型の通信手順。ebXML MSでは現行EOSからの移行が難しいため、実態に合わせて作られた日本独自標準。JCA手順の機能を引き継ぎ、種別指定の受信が可能だ。
取材対応
データ・アプリケーション
営業本部 マーケティンググループ グループマネージャー
大澤健夫氏
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