ホワイトペーパーレビュー
プロセス改善に役立つ「プロジェクト管理」が分かる3つのホワイトペーパー
2009年からIT業界にも適用された「工事進行基準」への対応を含めて、より正確性が求められるプロジェクト管理。本稿では、プロジェクト管理に関する3つのホワイトペーパーを紹介する。
システム開発の現場では、さまざまなツールを利用したプロジェクト管理が行われている。TechTargetジャパンが2008年に実施した「プロジェクト管理ツールの利用状況に関するアンケート」では、「導入済みのプロジェクト管理ツールは何か?」という問いに対して、「Microsoft Office Excelを使用している」と回答した読者が全体の67.8%を占め、「Excelで自前のツールを作成している」という意見も多く見られた。
また、2009年4月以降に始まる会計年度から適用された「工事進行基準」への対応が必要となるプロジェクトも今後多くなる。工事進行基準は、工事(=システム開発)の進ちょく度に応じて売り上げを分散して計上する会計の仕組みだ。
しかし、実際の開発現場では、要求仕様の誤解や変更対応などによる“開発の手戻り”も多く、制度変更に対応する以前の問題として、開発プロセスそのものを改善する必要性を感じている管理者もいることだろう。
より効果的なプロジェクト管理を実施するためには、どうすればよいだろうか。
本稿では、TechTargetジャパンのホワイトペーパーダウンロードセンターに登録されているホワイトペーパーの中から、プロセス改善に役立つと思われるプロジェクト管理に関連する3つのホワイトペーパーを紹介する。
制度変更や標準規格への対応に必要なことは?
プロジェクト管理会計、標準化、進行基準対応、PMBOK準拠のソリューション
前述した工事進行基準に対応するためには、具体的に何が必要なのだろうか?
工事進行基準では、「原価比例法」「EVM(Earned Value Management)法」などの見積もり手法に対応するプロジェクトごとの正確な原価算出が求められる。さらに「決算日時点での進ちょく状況や完成までの見通し」などの情報を正確に管理して、これらの情報に基づいて売上高や利益を開示できる仕組みが必要となる。そのためには、プロジェクト管理者個人の管理能力だけでなく、システム開発部門や企業の管理部門、経営層などの利害関係者(ステークホルダー)間の連携が重要だ。
このホワイトペーパーでは、一般的なプロジェクトでは「Excelや各機能に特化した専用ツールと原価管理システムなどを組み合わせたプロジェクト管理が行われている。そのため情報が分散してしまい、属人化した管理が行われたり、プロジェクトのノウハウの蓄積ができなかったりするなど、さまざまな問題が生じている」という現状を指摘している。
その上でこうした問題の解決策として「統合型プロジェクト管理システムの導入」を勧めている。その活用メリットは、データの一元管理による“プロジェクト情報の蓄積”“プロジェクトの見える化”“標準化の推進”が可能になる点だという。
さらに、「CMMI(Capability Maturity Model:ソフトウェア開発成熟モデル)」対応における、プロジェクト管理の重要性も紹介されている。制度変更や標準規格への対応策を調査する際の参考になるだろう。
工事進行基準対応に関連したホワイトペーパー
組み込み開発におけるプロジェクト管理の悩み
このホワイトペーパーでは、主に組み込み機器を開発する製造業でのプロジェクト管理の現状と、管理ツールを導入したプロセス改善の課題を解説している。
組み込み機器の開発では特定用途に向けた専用のハードウェアが必要となるため、ハードウェアとソフトウェアの開発が並行して行われる。そのため、ハードウェア、ソフトウェアなど製品を構成する要素ごとに管理ツールを利用する“部分的なプロジェクト管理”がなされることが多い。しかし、部分的に利用されている管理ツールでは、プロジェクト全体の改善への効果は薄いというのだ。
このホワイトペーパーによると、組み込み機器の開発で導入されているプロジェクト管理ツールには以下のような課題があるという。
- 個別機能にフォーカスしたツールが多く使われている(例:スケジュール作成のみで、リソース管理や工数管理ができない)
- 組織間にまたがったプロジェクト計画や進ちょく管理ができない
- 複数の管理ツールを統合して、それらの情報を扱うことができない
上記の課題を解決するために、このホワイトペーパーでは「ハードウェア領域、電気領域、ソフトウェア領域すべての開発プロセスを包括して管理する」ことが重要だと解説する。その具体策として、全体最適化に向けたプロジェクト管理手法と管理ツールが紹介されている。製造業に携わる管理者の方に読んでもらいたいホワイトペーパーだ。
製造業におけるプロジェクト管理に関連したホワイトペーパー
「まず、どこを改善すればよいのか」と悩んでいる方へ
プロセス改善 はじめの一歩の踏み出し方~プロジェクト計画と進捗管理~
「開発プロジェクトはいつも何とか完了するが、うまくいっているとは言いがたい」という現場は多いだろう。一方で、開発プロセスの改善に着手しても、単に現場の負荷を増やすだけで定着しないというケースもある。
このホワイトペーパーでは、プロセス改善を試みたもののうまくいかないケースを踏まえて「プロジェクト計画と進ちょく管理から始めるプロセス改善」のポイントを提案している。
そのポイントとは、すぐに大幅な改善を行うのではなく「まず目の前にある2、3個の課題解決」に注力し、自組織が運用・定着できる「実践可能なルール」を策定して実施した後に「その改善効果や方向性を常に確認」しながら柔軟に是正するというものである。
また「実践できる」ルール策定のために、プロジェクトの開発特性や目標に応じたWBS(Work Breakdown Structure:作業分解図)の定義方法や、それを基にした正確な進ちょく管理のためのレビューの重要性などを紹介している。
さらに「改善プロセスを運用するには、ツールを使って管理工数を削減する工夫が必要である」として、運用ツールを選定するポイントがまとめられている。「どこからプロセスの改善に着手しようか」と悩んでいる方は、一度目を通してみてはいかがだろうか。
プロセス改善のためのツール選定に関連したホワイトペーパー
今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、技術文書や製品資料、事例紹介などプロジェクト管理に関するホワイトペーパーを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。
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