開発リソースをほとんど持たないSMBが、Salesforce.comのクラウドサービスを利用することで顧客のための統合オンラインプラットフォームを開発できた。
米アリゾナ州のオンライン中古車オークション会社Openlaneが、モダンなITモデルを駆使して成長を遂げ、好業績を上げている。このモデルはアウトソーシングと統合を積極的に進めるというもので、それ自体は特に目新しくはない。しかし、その過程でのITとビジネスプロセスに対するOpenlaneの基本的なアプローチの方法はかなり新しい。同社はクラウドコンピューティングを、社内ITの拡張や代替ではなく、統合に利用している。
Openlaneは、中古車卸売市場でのオークションで年間40億ドル以上の売買を仲介しており、400人の従業員を抱える。経営陣によると、同社は自社開発のオンラインオークションソフトウェア、SAPベースのカスタム会計ツール、Salesforce.comのオンデマンドCRMシステムを活用して成長してきた。ここ数年は、アプリケーションの開発・運用ツールが用意されたSalesforce.comのPaaS(Platform as a Service)である「Force.com」も利用している。社員の間でIT機能の強化を求める要望が高いからだ。
「われわれは2万5000店のディーラーと取引がある」と、Openlaneの共同創業者で、事業開発担当副社長を務めるアンドルー・イオルグレスク氏は語った。「年間30万台の車の売買を仲介しており、その大部分は中古の輸送車両だ」。誠実さや良きビジネス慣行という評価を得ているとは必ずしもいえない業界の中にあって、Openlaneには優れた顧客管理ツールが必要だった。
イオルグレスク氏は、Openlaneはトランザクションを厳密に監視、統合する方法に加え、確かな証拠によって問題に対処する方法を必要としていたと語った。同社はまず、顧客とのやりとりを管理できる標準的なCRMシステムを導入し、ディーラーが連絡や支払い、権利証書を取引相手から受け取っていないと顧客がクレームを言ってきた場合に、トラブルを適切に仲裁できるようにした。
イオルグレスク氏によると、Openlaneが徐々に機能を追加していった結果、このシステムは本格的なビジネスプロセス・顧客管理ツールとなり、同社は仲裁から所有権調査、会計まで、各種の業務を1カ所で監視できるようになった。さらに、Openlaneはそのプラットフォームをディーラーに公開し、各社がそれぞれオークション取引の経過を把握できるようにした。
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