NECは、企業のクラウド環境構築に必要なソフトウェアやサービスを1パッケージに収めた新製品「Cloud Platform Suite」を発表。中堅企業向け、大規模企業内データセンター向けなど、計3製品を用意した。
NEC(日本電気)は1月21日、企業のクラウド環境構築に必要なソフトウェアやサービスを1パッケージに収めた新製品「Cloud Platform Suite」を発表、同日より販売を開始した。
ラインアップは、中堅企業向けの「スタンダードパッケージ」、大規模企業内データセンター向けの「エンタープライズパッケージ」、直流受電など通信事業者にも対応可能な「データセンターパッケージ」の3製品。いずれも、クラウドコンピューティングの基盤となるサーバ(Express5800シリーズ)/ストレージ(iStorageシリーズ)/ネットワーク機器(UNIVERGEシリーズ)/統合管理ソフトウェア(WebSAM SigmaSystemCenter)/基本構築サービスで構成されている。
導入時には、各製品をあらかじめ組み合わせ検証した後に、必要なソフトウェアがインストール済みの状態で提供される。個別製品で提供される場合に通常5日間かかるシステム構築を、最短1時間に短縮できるという。同社では、「クラウド基盤を早期に確実に立ち上げたいという要望に応えられる製品」だとしている。
運用環境としては、WebSAM SigmaSystemCenter上で、クラウド基盤となる物理リソースや仮想環境の運用管理を自動化・自律化できるインタフェースが提供される。既存ツールとの連携が容易なほか、あらかじめ用意された仮想環境のテンプレートからクリックで仮想マシンを生成できるGUIで、システムの拡張や障害発生時の対応が可能。
スタンダードパッケージは、中堅企業向けに初期コストを抑えた製品。AC100ボルト電源対応で、電源工事が不要な企業のマシンルームにも設置できるなど、導入の容易さを特長としている。サーバ/ストレージ/ネットワークをコンパクトに集約したブレードサーバ「Express5800/SIGMABLADE」をベースに、従来機比30%の軽量化を実現した軽量ブレード「Express5800/B120b-Lw」で構築され、ストレージには同日発表したNASブレードの新製品「iStorage NS500Ba」を搭載することで省スペース化を図っている。
エンタープライズパッケージは、企業や官公庁でのプライベートクラウド構築を支援する製品。サーバ、ネットワークにはスタンダードパッケージと同様の「Express5800/SIGMABLADE」、ストレージには高速ファイバーチャネル搭載の「iStorage D3」を採用。高い拡張性と信頼性を実現するとしている。
データセンターパッケージは、大規模なクラウド基盤の構築を支援する製品。サーバには、省電力/省スペースを特長とする「Express5800/ECO CENTER」、ネットワーク機器には「UNIVERGE IP8800シリーズ」を使用。局所冷却装置と組み合わせることで消費電力を抑え、データセンター内に大量のサーバ設置を可能にするという。また、直流受電(DC48ボルト)に対応することから、クラウド型サービスの提供を検討している通信事業者の局舎などにも設置が可能だという。
さらに同社では、システムの規模拡大にも対応する下記3つの拡張オプションを用意している。
各製品の希望小売価格(最小構成時)および出荷開始時期は次の通り。
パッケージ名 | 希望小売価格(税別) | 出荷開始時期 | 主要構成 |
---|---|---|---|
スタンダードパッケージ | 871万円より | 2010年2月下旬 | サーバ1台(最大4台) |
エンタープライズパッケージ | 3880万円より | 2010年4月以降 | サーバ4台(最大16台) |
データセンターパッケージ | 2億5000万円より | 2010年2月下旬 | サーバ40台(最大40台) |
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