NECら、基幹系を中核に中堅・中小企業向けSaaSソリューションを強化NEWS

NECらは、基幹系サービスを中心とした中堅・中小企業向けSaaSソリューションを強化する。2010年度上期中に50種のSaaSアプリケーションを提供する予定。

2010年02月17日 09時00分 公開
[荒井亜子,TechTargetジャパン]

 NECとNECネクサソリューションズは2月15日、中堅・中小企業向けSaaS(Software as a Service)ソリューション事業を強化すると発表した。第1弾として、同社の基幹系サービス「EXPLANNER for SaaS」を中核にフロントオフィス業務から基幹・周辺業務まで強化・体系化し、2010年上期中にSaaSアプリケーションの数を現在の15種から50種に拡大する。

画像 NEC 執行役員 龍野康次郎氏

 EXPLANNER for SaaSでは、従来の販売・生産・会計・人事・給与などのアプリケーションに加え、差異化領域に「物流」、新メニューに「ワークフロー」を追加する。「メール」「ポータル」などのフロントオフィスシステム、「建設業」や「ホテル」など業種特化システムも強化する。さらに、シンクライアントや給与計算・人事情報メンテナンス・コールセンターなどのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)分野もメニューに含め、中堅・中小企業の情報システム部門が担うシステム領域を網羅し、「国内ナンバーワンの品ぞろえを目指す」(NEC 執行役員 龍野康次郎氏)。

画像 NEC 中堅・中小企業向けSaaS型ソリューションの体系。赤枠はEXPLANNER for SaaSのカバー範囲

 同社は、中堅・中小企業のITインフラをホスティング領域を含めフルサービスモデルで提供することで、顧客はITインフラの運用コストを削減でき、IT戦略領域に注力できるとメリットを強調している。龍野氏は「日本企業の海外事業比率が高まり、中堅・中小企業も海外事業への進出や拡大に取り組むところが増えている。そんな中、企業のITコスト全体の8割はITインフラの運用に投じられているのが現状だ。中堅・中小企業がより事業と直結したIT戦略・企画立案に注力できるよう、運用の部分は外部に委託した方が企業価値が高まる」と同サービスの意義を語る。また、龍野氏によると「自社導入に比べ導入期間は30~50%短縮、導入コストは30~50%削減できる」という。

 中小企業向けの販売・サポートはパートナー企業が行う。NECとNECネクサソリューションズは、パートナー企業との連携を強化するために、パートナー支援プログラム「NEC SaaSパートナープログラム」を新設した。NECとNECネクサソリューションズの連携で、200人規模の開発・拡販支援体制を確立する。サービス基盤の企画、構築、契約、運用といった「サービス開発・運用支援プログラム」と、実証デモ・セミナー、ツールに関する教育、ヘルプデスク、コールセンターといった「営業支援プログラム」を実施することでパートナー企業を支援する。

 また、パートナー企業が自社のアプリケーションを迅速にSaaS化するために、「中堅・中小企業向けサービス基盤」を提供する。パートナー企業がこのサービス基盤でアプリケーションを稼働させる際、NECとNECネクサソリューションズが動作検証などを行う。同サービス基盤は、ほかのサービス基盤上のSaaSアプリケーションとの連携も可能。

画像 中堅・中小企業向けサービス基盤

 パートナー企業の数について、NECネクサソリューションズ代表取締役 執行役員 社長森川年一氏は「現在の370社から、2012年度には400社に増やす」と述べる。このほか、企業向けクラウドを体験できる施設「NECクラウドプラザ」を、現在のNEC本社1階に加え名古屋・大阪にも設置。クラウドプラザの端末から国内外のデータセンターにアクセスが可能になる。

 同SaaS型ソリューションにおける2012年度までのサービス契約社数目標は、中堅企業が2300社、中小企業が3万3000社。2012年度までの売り上げ目標は、中堅・中小企業合わせて約200億円。なお、同社の定義による中堅企業とは50億~500億円未満、中小企業とは50億円以下の企業を指す。

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