日能研はシマンテックのセキュリティ、バックアップ製品を導入したと発表した。1500台のPCをセキュリティ脅威から防御し、バックアップ時間を最大20分の1に短縮したという。
9月14日、中学受験塾大手の日能研は、シマンテックのセキュリティおよび情報保護ソリューションを導入したと発表した。1500台以上のPCをインターネット上のセキュリティ脅威から制御するほか、バックアップ時間を最大20分の1に短縮したという。導入されている製品は、企業向けエンドポイントセキュリティ製品「Symantec Endpoint Protection」と迅速なバックアップを可能にする製品群「Symantec Backup Exec」、「Symantec Backup Exec System Recovery」。
現在、日能研では答案をデジタルイメージ化し、大量の採点を迅速かつ正確に行う採点業務システム「DI 学習支援システム」と、塾と家庭をつなぐ会員制Web情報サービス「MY NICHINOKEN」を構築している。成績データや学習アドバイスなどの個人情報を扱う上で、セキュリティの確保と確実なシステム運用は欠かせないという。
個人情報などの重要なデータを扱うデータサーバには「Symantec Backup Exec Windows システムエージェント」がインストールされる。ネットワークを介してシマンテックのSymantec Backup Exec を搭載したバックアップサーバに1日1回、情報を保存し、さらにLTO(磁気テープ記憶装置)にも情報を保存する。また、グループ企業内ファイルサーバ、認証サーバのデータも同様にSymantec Backup Exec 搭載バックアップサーバとLTOに保存される。加えて、認証サーバは物理サーバのほかに仮想化環境でも運用され、Symantec Backup Exec System Recovery 2010によりNAS(Network Attached Storage)へのバックアップを行う。
日能研の子会社でシステムの構築、運用を行うエヌ・ティ・エスでは、「リストアに4時間掛けていたのをSymantec Backup Exec System Recovery 2010によって10分程度に短縮できた」としている。
シマンテックでは、同発表に合わせて都内で記者説明会を開催した。執行役員 パートナービジネス担当の内田和弘氏が、従業員数500人以下の企業を対象とした「情報保護対策に関する調査(同社が2010年5月に実施)」結果を基に、中堅・中小企業(SMB)が抱えるITシステムの課題を述べ、同社のSMB向け製品および支援策を紹介した。
同調査によると、SMBが最も重要視するIT改善分野は、システムのバックアップ/リカバリ、アーカイブ分野であることが分かった。サイバー攻撃の被害が絶えないことから、セキュリティ強化に対する意識も引き続き高水準となっている。この結果から内田氏は「ここ数年でバックアップリカバリへの関心が高まっている。だが、SMBはシステム管理専任者が少ない、もしくはいない中、投資コストにも制約がある」と、IT投資への要求はあるが阻害要因も多いと指摘した。
そこで同社が用意しているのが、セキュリティ製品とバックアップ製品を合わせたスイート製品「Symantec Protection Suite」(以下、SPS)だ。電子メールのスパム対策、エンドポイントのウイルス対策に加え、PCやサーバに保存された情報のバックアップリカバリ機能を備える。「個別導入よりも低コストで、1コンソール上で管理できるなど利便性も高い」(内田氏)
SPSには、従業員数100人以下の企業を対象とした「SPS Small Business Edition」および同100〜500人規模の企業を対象とした「SPS Advanced Business Edition」、同500人以上の企業を対象とした「Symantec Protection Suite Enterprise Edition」の3ラインアップが用意されている。
エンタープライズ向けに個別提供する製品とSPSの違いは、パートナー企業を通じて提供されることだ。製品に関するサポートもパートナー企業が担当する。同社ではこの販売体制に伴い、パートナー企業向けにスキル向上支援や技術情報の提供を行っている。今後はパートナー間で情報共有ができるコミュニティーの開設なども予定しているという。
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