クラウドは2011年も成長が続き、新しい分野の付加価値クラウドサービスも進展するだろう。
2011年のクラウドコンピューティング市場はエンタープライズクラスのクラウド仮想化インフラの進化で弾みが付き、成長が続きそうだ。セキュリティ重視の姿勢とセキュリティアーキテクチャの発展が、これを後押しする。同時に、分析、メディア、通信、高度金融における付加価値クラウドサービスというまったく新しい分野の成長も見込まれる。
業界専門家から聞いた話を基に、2011年の予想を以下に紹介する。
企業は仮想化されたセキュリティコントロールへの投資を増やし、これがクラウドサービスへの移行を後押しする。作業が物理的ハードウェアから切り離されれば、セキュリティの提供方法を再考する必要性が生じるとともに、IPアドレスのような物理的属性の利用や物理的ホストの分割についても再検討が必要になる。これはデータの安全を守るセキュリティインフラ開発の取り組み強化につながる。結果として、TCPのパイオニア多数が開発したNamed Data Networkingプロトコルが注目を浴びるだろう。
WikiLeaksの行動は、リーク情報を普及させるサービスがさらに増える時代の先触れとなり、情報流出防止システムへの投資拡大に結び付く。セキュリティソフトメーカー各社はTrend MicroのSecureCloudビジョンの後を追って、クラウドベースの情報流出対策サービスを打ち出すだろう。
クラウド事業者が新規顧客の獲得でしのぎを削る中、充実した保証、確実な賠償、データ転送可視化の拡充を図る事業者も増えるだろう。保証はデータ管理に関する法的保護を強化するものだ。自信のある事業者は子細なサービス品質保証契約(SLA)と金銭補償を盛り込んで、顧客の業績に影響を及ぼし得るクラウドサービスのあらゆる局面を網羅する。クラウド事業者はまた、法令に対応したデータの動きの可視化向上に乗り出すだろう。
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