サーバ統合を目的として導入が進むブレードサーバシステム。主要なベンダー製品を紹介する連載の1回目は、デルの「Dell PowerEdge Mシリーズ」を取り上げる。
搭載技術の進歩によって、ブレードサーバシステムの用途は広がりを見せている。本連載では、主要なベンダーが提供するブレードサーバ製品を紹介する。今回は、デルのブレードサーバシステム「Dell PowerEdge Mシリーズ」(以下、PowerEdge Mシリーズ)を取り上げる。
PowerEdge Mシリーズは、シャーシ(筺体)である「Dell PowerEdge M1000e」(以下、M1000e)と5機種のサーバブレード、I/Oモジュールなどのオプションで構成される。デルのブレードサーバは、同社の1Uラックマウントサーバ16台構成と比較すると、設置スペースを約57%削減し、総重量を約40%軽量化できるという。
同社のブレードサーバ向けシャーシとしては第3世代となるM1000eは、10Uサイズのシャーシに最大16基(ハーフハイトサイズ)のサーバモジュールを実装でき、最大32CPUのリソースを集約できる。電源装置を6基、冷却ファンを9基まで搭載可能で、いずれもホットプラグに対応する。さらに、ギガビットイーサネット(GbE)やファイバーチャネル(FC)、InfiniBandなどのネットワーク構成に応じて、最大6つのI/Oモジュールを搭載する冗長化も可能だ。
M1000eシャーシについて、デルの布谷氏は「ハーフハイトやフルハイトのサーバブレード、ネットワークスイッチ、拡張シャーシなどの機種や世代が異なるサーバモジュールを同一筺体内で混在可能な統合型の共通シャーシ」と説明する。ブレードの搭載位置や順序に関するルールもなく、環境に応じて空きスロットに全てのブレードを収納することが可能だ。M1000eでは、同社が2014年までに提供する全てのブレードサーバやI/Oモジュール製品に対応する予定。
デルは2010年7月、PowerEdge Mシリーズとして2つのサーバブレード新機種「PowerEdge M710HD」(以下、M710HD)、「PowerEdge M610x」(以下、M610x)を発表した。これらの機種により、布谷氏は「サーバ統合から仮想化、HPC分野に至るまで、より高度な要求に対して本格的にブレードサーバシステムでカバーできるようになった」と説明する。
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