XenServerで仮想マシンをシンプルにバックアップする方法を紹介する。XenServer 5.6 FP1では、XenCenterのGUIを用いて仮想マシンのバックアップポリシーを作成・実行できる。
仮想マシンのバックアップに対する考え方は、従来の物理環境におけるバックアップ と原則変わらない。システムが持つデータの重要度、アプリケーションの特性、サービスレベルの要求に応じてさまざまなバックアップ方法があり、慎重な設計が必要であることは言うまでもない。ただ、仮想化されたシステムでは、仮想マシンのイメージをファイル単位でバックアップ/リストアできたり、移植性を生かして迅速なリカバリができるようになる。そのため、バックアップ/リストアの運用をシンプルにし、サービスの可用性を向上できるというメリットがある。
今回は、XenServerで仮想マシンをシンプルにバックアップする方法を紹介する。XenServer 5.6 FP1では、XenCenterのGUIを用いて仮想マシンのMachine Protection Policy(以下、バックアップポリシー)を作成・実行(※)できる。このバックアップポリシーは、仮想マシン(仮想マシン群)に対してスナップショットおよびバックアップ(仮想マシンファイルのエクスポート)のスケジューリングを行うことで設定できる。以下に手順を解説する。
※ Platinum Edition以上で利用可能。
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XenCenterで仮想マシンを選択して右クリックし、[Assign to VM Protection Policy]-[New Policy]を選択する。
バックアップのポリシー名を定義する(ここではLinux VM Policyとしている)。
ここで定義したバックアップポリシーに適応する仮想マシンを選択する(リソースプール内の仮想マシンを選択できる)。
スナップショットを取得する形式として、ディスクベースの仮想マシンイメージもしくはメモリを含む仮想マシンイメージのどちらかを選択する。
スナップショットを取得する日程を設定する(Monthly、Weekly、Dailyの定義、曜日・時間なども指定する)。また、スナップショットの世代数もここで指定できる。
取得したスナップショットをバックアップ(エクスポート)するタイミングと保存する領域を指定する。ファイルサーバ(CIFS:Common Internet File SystemやNFS:Network File System)を定義し、この領域へのアクセスに必要なユーザー名、パスワードも定義する。
バックアップジョブが実行された際に送信される「Notification Mail」の宛先、SMTP Serverを指定する。
以上で、1つのバックアップポリシーが設定され、バックアップが実行可能となる。
今回はバックアップポリシーによる仮想マシンのシンプルなバックアップのみを紹介した。XenServerのスナップショット機能では、Windowsの仮想マシンの場合、Xen VSSプロバイダーを用いて休止スナップショットを取得することも可能である。
さらに、バックアップソリューションベンダーが提供する仮想環境に対応したバックアップソリューションを利用することで、物理環境と統合的に仮想環境のバックアップ/リストアが実現できたり、差分・増分バックアップなどのきめ細やかな運用が可能になるので検討してほしい。
XenDesktop、XenApp、XenServerを中心とした仮想化ソリューションの提案活動、ビジネスパートナーへの技術支援などプリセールス全般に従事する。
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