基幹系クラウドの期待と現実、調査結果で赤裸々にERP Now!【第6回】

企業のIT部門はクラウドコンピューティングをどう見ているのでしょうか。JUASの調査結果からはベンダー発の情報からは分からない基幹系システムのクラウド化への期待と現実が伺えます。

2011年04月06日 09時00分 公開
[垣内郁栄,TechTargetジャパン]

 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が3月24日に発表した「第17回 企業IT動向調査2011」が興味深い内容です。ITベンダーなどが押し進めるクラウドコンピューティングに対して、IT部門の現場では期待と同時に不信感が高まっていることが分かるからです。IT部門の現状を伝える調査結果を紹介しましょう。

 調査は2010年11月に実施。ユーザー企業のIT部門1144社と経営企画部門1075社に聞きました。さらに45社のIT部門長には個別インタビューを行い、分析したということです。

売上高1兆円企業の半数がSaaSを利用

 企業のクラウドについての関心は増大しています。IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)とも「導入・検討中」とした企業の比率は2009年調査から2倍以上に増加し、IaaS、PaaSともに29%の企業が「導入・検討中」です。SaaS(Software as a Service)についても「導入・検討中」は2009年の27%から2010年は44%となりました。特に売上高が1兆円以上の大企業では49%がSaaSを導入済み、もしくは試験導入中です。

画像 パブリッククラウドの利用状況(JUAS調査から作成、以下同じ)

ITmedia マーケティング新着記事

news047.jpg

SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...

news159.jpg

SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。

news139.jpg

「Fortnite」を活用  朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...