サーバ仮想環境に移行するとリソースの効率化やコスト削減などのメリットがある。しかし、ストレージの構成が足かせとなりメリットを十分に享受できない場合もある。
VMware vSphereやHyper-V、XenServerなどのサーバ仮想化ソフトウェアを利用したサーバ統合が本格的に普及し、より小規模なシステムにおける仮想環境の構築が進んでいる。仮想環境に移行するとリソースの効率化やコスト削減などのメリットがあるが、仮想マシン(VM)のデータを保存するストレージの構成が足かせとなり、そのメリットを十分に享受できないケースもある(関連記事:まず押さえておきたいサーバ仮想化導入のポイント)。
VMデータを保存するストレージ構成は「ホストサーバのローカルディスク」と「複数の物理サーバで共有するストレージ」の2つに大別できる。仮想環境がある程度の規模になると、共有ストレージを導入する必要性に迫られる。例えば、VMware vSphereではVMを止めずにサーバ間を移動させるライブマイグレーションを実行したり、データの冗長化などを実現する機能として「vMotion」や「VMware HA」などを提供している。それらを利用するためには、共有ストレージ構成であることが前提条件になるからだ(関連記事:仮想化環境向けストレージ構成のチェックポイント)。
ネットワールド マーケティング部 ビジネス開発グループ 主任 藤森 譲氏は「これまでIT投資が限られた小規模な企業や部門などがライブマイグレーションを実行したり、VMのデータ冗長化を実現する場合、“外付けのSAN(Storage Area Network)/NAS(Network Attached Storage)などを導入する”か、“導入せずに諦める”の2つの選択肢しかなかった」と説明し、共有ストレージが仮想環境への移行の障壁になると指摘した。また、海外拠点や地方支店など地理的に離れた環境で共有ストレージを設置した場合、障害が発生してもすぐに修理できないなど、ストレージの専任エンジニアが現場にいないため運用管理が難しいという。
そうした共有ストレージの課題を解決する新たな選択肢として、ネットワールドは2010年12月から英StorMagicが開発したVMware環境対応の仮想共有ストレージソフトウェア「StorMagic SvSAN」(以下、SvSAN)を日本国内で提供している。藤森氏は「外部ストレージを購入しなくても共有ストレージを構築でき、vMotionやHAなどの機能を利用できる」と、そのメリットを強調する。本稿では、SvSANの機能の特徴を紹介するとともに仮想共有ストレージの導入メリットを考えてみる。
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