IFRS対応でポイントとなる固定資産管理。SuperStream-NXの固定資産管理モジュールは複数台帳、複数の償却方法に対応し、IFRS対応を目指す企業を支援する。
キヤノンITソリューションズとエス・エス・ジェイ(SSJ)はERP製品「SuperStream-NX」の固定資産管理モジュールを5月31日に出荷開始すると4月18日に発表した。Webブラウザ対応、複数台帳管理が可能なモジュールで、今後IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)への対応を目指す企業を支援する。
IFRSの固定資産会計は日本の会計基準との差異が大きく、「IFRSにおける対応要件の半分くらいは固定資産管理」(SSJのマーケティング部 部長 山田 誠氏)ともいわれる。IFRS対応を検討する企業ではERPの固定資産管理モジュールを使う他、単体の固定資産管理システムを使うケースも多い。
SuperStream-NX 固定資産管理は、Webブラウザから使うことができるインタフェースを採用。本社だけではなく、各地の拠点や関連会社などからも直接入力や承認をできるようにした。また、複数の台帳管理に対応し、1つの固定資産について会計台帳や税務台帳の他、IFRS用、管理会計用など最大で5つの台帳を持つことができる。
また、IFRSの固定資産管理で求められるケースが多い減価償却の定額法など、さまざまな償却方法にも対応する。その他に対応する償却方法は定率法や均等法、少額資産の一括償却、生産高比例法など。また、減価償却費や課税標準額、除去債務利息など将来発生する費用を予測する機能も搭載する。
山田氏は「既存の固定資産管理システムは、クライアント/サーバ型で動いていることが多い。しかし固定資産は現場で使うケースもある」と指摘。Webブラウザで使えるアーキテクチャを取ることで、そのニーズを満たすと説明した。SuperStream-NX 固定資産管理は単体で稼働させることも可能だといい、「SaaSとして利用したいというニーズも多いかもしれない」と述べた。
SuperStream-NX 固定資産管理は400万円(税別)で提供する(SuperStream-NX 統合会計購入の場合)。
SSJはまた、SuperStream-NXの今後のロードマップも発表した。2012年5月末の固定資産管理に続き、8月には人事や給与、退職金などの機能を持つ「人事給与シリーズ」を提供する予定だ。統合会計やグループ経営管理についてもそれぞれ定期バージョンアップを予定している。山田氏は「2012年度にはSuperStream-NXの全てのラインアップがそろう」と話した。また、統合会計はIFRSに対応し、複数元帳が利用できるバージョン1.7.0を2013年第1四半期にもリリースする計画だ。
SSJは5月1日に社名を「スーパーストリーム株式会社」に変更し、これまでキヤノンITソリューションズが担っていたSuperStreamの開発業務をスーパーストリームに統合する。3月にSSJの代表取締役社長に復帰した谷本善男氏は「スピード感のある意思決定をできるようになり、ユーザーニーズをダイレクトに製品開発につなげられる」と事業統合の意義を説明した。その上で「グローバル、SaaS、IFRS、グループ経営が今後のキーワードだ。4つのキーワードをオンリーワンプロダクトで推進したい」と話した。
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