SuperStream-NXにグループ企業の経営状況を可視化する経営管理機能が追加される。柔軟なリポーティング機能で経営者や現場担当者の意思決定をサポートするのが目的だ。
キヤノンITソリューションズとエス・エス・ジェイ(SSJ)は4月14日、SSJのERPパッケージ「SuperStream-NX」向けのオプション製品「SuperStream-NX グループ経営管理」(グループ経営管理オプション)を発表した。8月に提供開始する。
SuperStream-NX単体でも個別企業の経営分析や、他社の連結パッケージを使った経営分析は可能だが、機能が限られたり、リアルタイムに分析できないなどの制限があった。「グループ全体の経営状況がどうなっているかを見たいというニーズが多い」(SSJ マーケティング部 部長 山田 誠氏)ためにグループ全体の業務を可視化できるオプションを開発した。
グループ経営管理オプションは、「グループ経営ダッシュボード」「グループ全体のセグメント分析」「グループ財務諸表」「汎用財務リポーティング」が主な機能。それぞれの概要は以下。
主に経営層向けの機能。グループ各社の貸借対照表や損益計算書などの財務数値を一覧して見ることができる。気になる数値はドリルダウンして分析可能。リポートを定期的にメールで受け取る機能もある。
グループ全体のビジネスについて、その事業や地域、顧客、プロジェクト、取引先などさまざまなセグメントの軸で分析できる機能。日本の会計基準やIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)で対応が求められるマネジメントアプローチに対応する。
グループ経営に必要なさまざまなKPI(Key Performance Indicator)をモニタリングできるテンプレートを提供する。用意しているKPIはROE(株主資本利益率)、ROA(総資産利益率)、売上高経常利益率など10種以上。モニタリング画面からそれぞれの数値を仕訳データまでドリルダウンし、詳しい分析をすることもできる。モニタリング画面をPDF、Excel、CSV、画像データとして出力することも可能。
経理担当者向けの機能で、さまざまな勘定科目や期間、グループ会社などを組み合わせて任意の帳票を作成できる。勘定科目などをドラッグ&ドロップで配置し、独自の帳票を作成する。ExcelやPDF、画像データに出力できる。
グループ経営管理オプションのソースとなる情報はグループ子会社に設置したSuperStream-NXだが、ODBC接続などを行うことで、他のシステムからも情報を取得できる。
グループ経営管理オプションの価格はBase License 5ユーザーで300万円から。SSJはグループ経営管理オプションの出荷で、現在約6000社のSuperStream全体の累計導入社数を2015年までに1万社以上にすることを目指す。
また、SSJはIFRS対応として日本基準とIFRSの2つの総勘定元帳をSuperStream-NXに持たせることを計画している。リリースは2013年初頭の予定。その際にはグループ経営管理も複数元帳の分析を可能にする。さらに2012年にはIFRS適用で問題になることが多い固定資産管理のオプション製品を出荷することも予定している。
SSJの代表取締役社長に3月に就任した大江 由紀夫氏は今後の事業戦略として「マーケティングを事業活動の中心に置き、真のお客さま思考の経営を行う」と述べた。その上で、従来の会計・人事システムは企業の戦略が反映されない画一的、均一的な製品だったと指摘し、今後は「会計・人事システムであっても個々のお客さまの戦略を反映したシステムにならないといけない」と話した。
大江氏はまた、2月にパートナー経由で始めたSuperStream-NXのSaaS(Software as a Service)提供について「顧客やパートナーの関心は非常に高い」としながらも、SaaSの今後の動向が分からず、顧客やパートナーがSaaSの利用をためらうケースもあると指摘した。
SSJは、SuperStream-NXのグローバル対応も進める考えで、2012年には英語インタフェースに対応させる。将来的には多通貨にも対応させ、IFRSの機能通貨(参考記事:IFRSの外貨換算:機能通貨が連結プロセスを一変させる)を扱えるようにする考えだ。
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