仮想環境においても物理環境と同様のHAクラスタ構成を組めばよいと思われがちだが、実はそう簡単ではない。物理環境のHAクラスタ製品を仮想環境で使用した場合に起こる3つの課題について整理する。
本連載「仮想環境のHAクラスタ製品 選定ポイント」では、仮想環境の可用性を高めるためのHA(High Availability)クラスタ製品の選定ポイントについて記述する。
第1回の今回は、従来の物理環境のHAクラスタ製品を仮想環境で使用した場合に生じる課題について整理する。仮想環境としてはVMware環境を想定して話を進めるが、今回の内容に関してはHyper-VやKVMなどその他のハイパーバイザーでもほぼ同等と考えて問題はないだろう。
2014年1月にTechTargetジャパンが「サーバ仮想化/デスクトップ仮想化の導入に関する読者調査」を行った。下記がその一部である「サーバ仮想化製品を導入するに当たって、どのような点を重視して製品を選びますか?」の結果だ。
上記によると、仮想環境で「導入/設定/運用管理のしやすさ」と「可用性/事業継続性」を重要視していることが分かる。
物理環境では、データベース(DB)サーバなどの重要なシステムは、単一サーバ内のNICやHBA(Host Bus Adapter)などハードウェアコンポーネントに加え、サーバをHAクラスタ製品によって冗長化し、サービスの可用性を高めていた。
仮想マシンにおいても物理環境と同様にHAクラスタを構成すればよいと思われがちであるが、実はそう簡単ではない。仮想マシン間で従来のHAクラスタ製品を使用することで、構成面、運用面、機能面の課題が出てくる。以下に、それぞれの課題について説明する。
連載インデックス「仮想環境のバックアップ製品 選定ポイント」
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