サーバ仮想化の導入が急速に進む一方で、データ量も増え続けている。物理環境と同様のバックアップでは、バックアップ時間や容量、システムへの負荷など多くの課題が出てくる。
本連載「仮想環境のバックアップ製品 選定ポイント」では、VMware環境におけるバックアップの課題を解決する最新のバックアップ技術、最適な製品選定のポイントについて、技術的かつ具体的に説明する。また、主要なバックアップ製品の機能とコストを比較し、システム規模に応じた製品選定のノウハウを説明する。
第1回は、VMware環境における従来型のバックアップ方式と課題を解説する。内容は以下の通り。
2012年末、アイティメディアが仮想環境のバックアップに関するアンケート調査を行った。下記が「サーバ仮想化環境のバックアップ方法」についての結果である。
注目すべきは、「一般のバックアップソフトを使い仮想マシンを個別に取得」(49.4%)と「ストレージのレプリケーション機能を利用」(18.1%)を合わせると大半を占める点である。それら2つの具体的な方法を説明すると、前者は、仮想マシンのゲストOSにバックアップエージェントをインストールし、ファイルデータやデータベースのデータをネットワーク経由でバックアップする方法である。後者は、ストレージのコピー機能(スナップショット、クローン、レプリケーションなど)を使用して、LU(Logical Unit)またはボリュームの複製を筐体内や筐体間で行うバックアップ方法である。
こうした従来のバックアップ方法を、仮想化に特化したバックアップ方法も合わせて検討した上で選定したなら問題はない。だが、比較的中規模・大規模な環境になると、バックアップ時間や容量、システムへの負荷で課題が出てくる。
従来のバックアップ方法(物理環境と同一の方法)は、大きく分けて3つに分類できる。
・概要
仮想マシンのゲストOSにバックアップエージェントをインストールし、ネットワークを経由してバックアップサーバにバックアップする。
・特徴
ゲストOS内のファイルをファイル単位でバックアップ/リストアできる。また、データベースの整合性を担保したバックアップが可能で、一般的にデータベースのバックアップはこの方法が必須と考えてよい。この方法でシステムバックアップを行うことは、VMDKファイルのカプセル化の恩恵を受けられず、物理サーバと変わらない方法となるため不向きである。また、仮想マシンの台数が増えると、VMware ESXサーバやLANのシステムリソースを消費する。この方法の用途は主にデータバックアップと考えてよい。
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