ユーザー企業で経営と技術の両戦略を担うCTO(最高技術責任者)。彼らはどんな情報を必要としているのか。CTO向けイベントに潜入した記者が考察した。
エンジニアにとって学びと成長の場として欠かせないコミュニティー。「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)のユーザーグループに参加して最新技術情報を共有したり、エンジニア同士の横のつながりを作ったりと、その価値を知っているエンジニアは積極的に外に出て活動している。そんなエンジニアが次のステップに進んだとき、どのような活動で何を得ればいいのだろうか。本稿では企業のエンジニアに向けて、エンジニアが進むべきキャリアとして有力な選択肢の1つであるCTO(最高技術責任者)のコミュニティーについて、取材を通して考察する。
「IVS CTO Night&Day」は、ベンチャーキャピタルのInfinity Venture PartnersがCTOを招いて年に2回開催しているイベントだ。2016年12月開催の第5回は、京都市内のホテルを会場として開催した。IVSとはInfinity Venture Partnersが開催する「Infinity Ventures Summit」のこと。IVSはベンチャー企業のCEO(最高経営責任者)を招待しピッチ(短時間のプレゼンテーション)などを行う、歴史あるイベントだ。今回のIVS CTO Night&Dayは、IVSの趣旨と、ベンチャーを支援するAmazon Web Services(AWS)のカルチャーが結びついて2014年に始まった。そうした背景もあり、IVSとIVS CTO Night&Dayは同日に開催され、両参加者が集合する特別セッションも幾つか用意されていた。
IVS CTO Night&Dayは1泊2日のイベントだが、“Day0(デイゼロ)”とも言うべきウエルカムパーティがあり、多くのCTOが2泊3日のスケジュールで参加したようだ。普段多忙なCTOが、師走に時間を割き、交通費や宿泊費、参加費を負担してまで参加するほどのイベント。多くはないが、5回全てに参加している人もいるという。ここにしかない価値を求めてのことだろうが、それは一体、何なのだろうか。
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