製薬企業が新薬を上市する際、市場調査が「市場規模把握」にとどまってしまい、マーケティング戦略を決め切れなくなるケースが少なくないという。医療用医薬品業界のデジタルマーケティング専門家が解決策を説く。
製薬企業のプロモーションの在り方や行動基準を示した「医療用医薬品プロモーションコード」の厳しい規制の下で、製薬企業のMR(医薬情報担当者)やマーケティング担当者は適切な情報提供の在り方を模索している。eディテーリング(電子的な情報提供活動)ツールやメールマガジン、オウンドメディアなど、さまざまな情報提供の効果を判定するためには各活動の中で得られたログの分析が必要だ。だが十分な分析ができており、かつ分析結果を十分に活用できている製薬企業は多くない。
本連載では、製薬企業の医療用医薬品ビジネスにおけるB2Bマーケティングの現状と課題を整理し、ITツールやデータの活用によってマーケティングの投資効果を高める解決策を探る。
製薬企業のマーケティングを変えるデータ活用(連載インデックス)
製薬企業が製剤上市や適用拡大などのプロジェクトを進める際には、他業界と同様にマーケティング調査を実施します。しかしプロモーションの視点から見ると、多くの場合で見落としているポイントがあるように筆者は感じています。他業界と比べて医療用医薬品業界は、戦略設計に時間をかける傾向が強いために、マーケティング調査も頻繁に実施しています。ただし、その結果を見ると「市場ポテンシャル(市場規模)の把握」にとどまっているケースが少なくないようです。
本来ならば、情報が確実にターゲットに届くよう、マーケティング調査の実施前に、
といったプロセスを経るのが望ましいはずです。なぜ、医療業界では施策前の調査が、マーケティング調査ではなく市場ポテンシャル調査にとどまってしまいがちなのでしょうか。その原因と対策を探ってみます。
次世代生成AIで優位に立つのはMeta? Google? それともマスク氏のあの会社?
生成AI時代において、データは新たな金と言える。より人間らしい反応ができるようになる...
GoogleからTikTokへ 「検索」の主役が交代する日(無料eBook)
若年層はGoogle検索ではなくTikTokやInstagramを使って商品を探す傾向が強まっているとい...
B2B企業の市場開拓で検討すべきプロセスを定義 デジタルマーケティング研究機構がモデル公開
日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構は、B2B企業が新製品やサービ...