クラウドメッセージングサービスの時代 後編
「仮想ホワイトボード」も実装、チームコラボレーションの次の潮流を読む
コラボレーション戦略の構築に不可欠なクラウドメッセージングサービス。後編ではその豊富な機能について解説する。
前編「電話よりも『Slack』、チームコラボレーションの主役交代はもう間近」において、クラウドメッセージングサービスがチームコラボレーションの主流になるに至った過程を振り返った。これらのツールは現在、企業におけるコミュニケーションツールの定番となっている。以下のような豊富な機能を提供するからだ。
- グループメッセージング:チームやプロジェクト関連のコミュニケーションの大部分が、この機能を使って行われる。追加、削除できるメンバーの数に制限はなく、コンテンツは全て、コンテクスト検索がしやすいように保持される。
- 1対1のメッセージング:特定の相手とクローズドなコミュニケーションを行う必要がある場合もある。1対1のメッセージングは、2人のユーザー間でのプライベートなコミュニケーション向けだ。プライバシーを高め、連絡したい相手との直接のチャネルを確保できる。
- ファイル共有:メッセージングプラットフォームでできることは、テキストの交換だけではない。グループ内や個人間で至って簡単にファイルを共有できる。その方が、電子メールにファイルを添付したり、FTPまたはSFTPファイルサーバを使ったりするよりもはるかに効率的だ。
- インタラクティブな仮想ホワイトボード利用:対面でのミーティングの妙味の1つは、ホワイトボードを使って皆でアイデアを生み出すことだ。クラウドメッセージングプラットフォームでは、ホワイトボードは仮想化され、創造的な場の提供に大いに貢献する。
- プレゼンス:企業の従業員は世界中に分散しており、誰かの手が空いているかをオフィスや席に赴いて確認するのはもう不可能だ。クラウドメッセージングサービスのプレゼンス機能は、こうした確認作業を自動化し、ユーザーは目的の相手が応対可能か、あるいは業務、電話、ミーティングなどで応対できないかを把握できる。
- コンテクスト検索:長時間のグループセッションや1対1のメッセージングセッションの中から、目当てのコンテンツを発見するのは面倒だ。場合によっては、数週間や数カ月に及び、数千件のメッセージがやりとりされるチャットセッションもある。コンテクスト検索機能を使えば、ユーザーは各セッションから目指す情報を探し出せる。
- マルチプラットフォームの同期:クラウドメッセージングサービスでは、メッセージやファイル共有の内容は全てクラウドに保存される。このため、ユーザーがデスクトップとモバイルデバイスを切り替えながらサービスを利用しても、メッセージの完全な同期が維持される。
- リアルタイムモビリティ転送:ユーザーは出先でも、リアルタイムモビリティ転送によって、ノートPCやビデオ会議デバイスからモバイルアプリケーションにライブ対話をシームレスにシフトし、ライブ通信を一貫して維持できる。
- 他のコラボレーションツールとの統合:メッセージング中心のクラウドコラボレーションツールは、独立したプラットフォームとしてデプロイされるものと、大規模なコラボレーションプラットフォームの構成要素であるものとに大別される。後者の場合は、音声やビデオ会議、電子メール、ウェビナーなど、他の構成要素と統合されている。
- 管理オプション:企業によっては、クラウドメッセージングツールとそのユーザーをきめ細かく管理する必要があることもある。こうした場合を想定して提供されるオプション機能として、ツールのカスタマイズやユーザー認証などがある。
- APIを使ったサードパーティーサポート:メッセージングプラットフォームと他のビジネスツールの統合は、新製品の投入が進むユニファイドコミュニケーション(UC)のエキサイティングな分野だ。さまざまな製品が多様なエンタープライズアプリケーションと互換性のあるAPIを提供している。統合可能なサードパーティーアプリケーションの数は、個々のメッセージング製品によって異なる。
メッセージング中心のクラウドコラボレーション市場
クラウドメッセージングサービスの大手ベンダーは、2つのグループに大別される。1つは、この技術のアーリーアダプターや、多様なメッセージング機能およびサードパーティーアプリケーションとの統合で差別化を図ってきたベンダーというニッチな企業群だ。このグループには、Atlassian、BroadSoft、CA Technologies、Slack、Unifyが含まれる。
その対極にある老舗のエンタープライズハードウェアおよびソフトウェアベンダーは、自社の製品ポートフォリオに含まれる他のツールとの統合をうたっている。このグループには、Amazon、Cisco、Google、Microsoft、RingCentralが含まれる。
さまざまなメッセージング製品の機能の多くは、同じコラボレーション目標を達成するが、製品によって搭載機能、実装オプション、相互運用性はかなり違う。例えば、一部のチームコラボレーションツールはメッセージングにのみ重点を置いているが、大規模な統合型コラボレーションプラットフォームの一部に取り込まれているものもある。
さらに、クラウドサービスの販売やサポートの形態も、製品によって異なる。購入者は、サービスの階層、フリーミアム版、試用版、顧客サポート方法(ナレッジベース、Web、電子メール、電話など)といった点を考慮する必要がある。
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