せっかくBI(ビジネスインテリジェンス)を導入したのに、「従業員がいつまでたってもBIの使い方を理解してくれない」「そもそもBIを使ってくれない」などの理由でBIの活用が進まない事例は、枚挙にいとまがありません。とある中堅企業のA社もそんな状況に陥りかけています。
BIを導入する前から各種集計やレポートを作成していた人にとっては、BIの導入によって「作業から解放される」と思っていたのに、操作の問い合わせ対応に奔走することになったり、BIでは思うようなレポートが出せないからという理由で、相変わらず集計やレポートの作成を依頼されたり……となって、以前より忙しくなってしまう――こんな未来もあり得るでしょう。「そうはさせないぞ」と奮起した、A社で働く謎の魔法使いさんも、いざBIを起動してみると、次々現れるグラフや表を前にして大混乱。お得意の魔法をどう使ったらよいかも分からない状態になってしまいました。
本来ならばBIの各機能により、従業員が自分自身でデータを分析できる環境が整っているはずなのに、なぜそんな事態に陥ってしまうのでしょうか。
ひょんなことから人間社会の中堅企業に就職した魔法使い「テクたん」。彼女は魔法の国から来たので、何でもかんでも魔法で解決しようとします。しかしIT業界の皆さんはよくご存じの通り、どんな難しい問題も一気に解決できる「銀の弾丸」はないのです。このコラムでは、IT導入でぶつかる「あるある」な悩みを魔法以外の方法で解決するヒントを紹介します。
BIではなく勤怠管理システムや、経費精算システムの導入であれば、従業員は何とかシステムの操作方法を習得して使おうとするでしょう(不満が全く出ないということはありませんが)。システムを使用しないと、給料や交通費、接待費などを支払ってもらえないから――つまり自分に不利益が生じるからです。一方でBIは、使わなくても自分が不利益を被ることはありません。
さらに問題なのが「自分はデータを分析する立場ではなく、データを見て判断を下す立場だ」と思っている人の存在です。このような人にとっては、いきなり「BIを導入したから、BIの操作を覚えて自分で作業してデータを分析しなさい」と言われても、負担が増えるだけでメリットがありません。BI導入以前は担当者に依頼すれば、タイムラグがあるとはいえ、自ら作業することなく提出された集計やレポートを確認して判断できていたからです。
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