AR(拡張現実)技術のビジネス利用が広がりつつある。ただしAR技術は未成熟な部分もあるため、ビジネス利用を検討する企業は注意が必要だ。何に気を付けるべきなのか。
「AR」(拡張現実)技術について、ベンダーが語る潜在的能力と現実の能力の間にあるギャップを埋めるにはどうすればよいだろうか。以下ではそれを克服し、企業でAR技術を活用するための5つのヒントを紹介する。
「クールだから」はAR用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を導入する理由にはならない。有効な導入分野は、現行のワークフローとトレーニング手順からふとした拍子に見つかることもしばしばだ。新しいタスクを作り出すより、従来のビジネスプロセスを補完したり置き換えたりすることが最善のアプローチとなるだろう。調査会社Gartnerのアナリストであるトゥオン・グエン氏は「ハンズフリーデバイスは両手を使う作業に最も役立つ」と話す。
AR技術に詳しいハーバードビジネススクール(Harvard Business School)教授のマイケル・ポーター氏は、「現在のユーザーインタフェースは物理世界とデジタル世界を切り離しており、認知的な負担を生んでいる」と指摘する。調査会社IDCのリサーチマネージャーであるジテシュ・ウブラニ氏は、「多くの企業はすでにスマートフォンやタブレットを使っている。それが効果的ならAR用HMDもうまく取り入れられるだろう」と述べる。
適切なAR技術の応用先が見つかったら、概念実証(PoC)プロジェクトを開始しよう。「ユーザーのフィードバックを集める必要がある。テストは重要だ」とグエン氏は語る。環境修復に関わる事業を展開し、作業現場にAR用HMDを取り入れているEncotech Engineering Consultantsでバイスプレジデントを務めるジェイソン・ラリ氏は、社内の実験用環境でテストを実施することを推奨し、「実験場で試せば安全だ。失敗しても安全は確保される」と話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
社会人Z世代の休日の過ごし方 関東と関西の違いは?
大広若者研究所「D'Z lab.」は、37人へのインタビューと1000人へのアンケートを基に、社...
製造業の8割が既存顧客深耕に注力 最もリソースを割いている施策は?
ラクスは、製造業の営業・マーケティング担当者500人を対象に、新規開拓や既存深耕におけ...
「生成AIで作った広告」が物議 そのとき、コカ・コーラはどう動いた?
生成AIを広告制作に活用し、議論を呼んだCoca-Cola。この経験から何を学んだのか。