「ARって仕事に役立つの?」に対する3つのさえた答えARは「IoTからの贈り物」

臨時職員に短期間で一人前のスキルを習得させるのは容易ではないが、仮想現実(AR)があれば話は別だ。初心者からベテランまであらゆる従業員が、ARを使うと業務効率化につながる3つの理由を解説する。

2018年01月31日 05時00分 公開
[Brian BallardTechTarget]

 毎年のことだが、世界中の小売業者や物流業者が、消費者の需要のピークに合わせて倉庫業務やマテリアルハンドリングを強化するため、季節労働者を雇用する。年間ベースでは、ほとんどの倉庫業者や小売物流業者の年末年始にかけての作業員数は2倍から3倍になる。例えば、Amazon.comは2017年に12万人という途方もない数の季節労働者を同社配送センターで雇用している。

 毎年戻ってくる季節労働者を対象にする場合でさえ、トレーニングにはコストも時間もかかる。その上、できる限り迅速にトレーニングを完了しなければならない。ピーク期間の標準は90日間だ。その中の2週間以上が臨時職員のトレーニングやスキルアップに費やされる。その間は、授業形式のトレーニングやeラーニングに加え、実地体験もある程度提供する。その結果、臨時職員は複雑な仕事を最適な形で完了し、標準手順に従うことができるようになる。昨今の倉庫環境では、このようなトレーニングの構成はほとんど変わらない。倉庫の作業員に求められるのは特定の仕事を理解することだけではない。リアルタイムに注文が入るため、作業ペースや手順の変化に合わせた迅速かつ柔軟な対応も求められる。そこで有用なのが、スマートグラスを拡張現実(AR)形式で利用するモノのインターネット(IoT)である。

 季節雇用や長期雇用の作業員はスマートグラスでARテクノロジーを利用する。このARテクノロジーにより作業員は、表示情報、ドキュメント、動画、ステップ・バイ・ステップガイダンスにリアルタイムにアクセスできる。その結果、作業員は自分の仕事を効率的かつ正確に実行できるようになる。さらに、授業形式のトレーニング時間が短縮され、ストレスも少なくなるだろう。

 スマートグラスを通じてARの価値を提供する上で不可欠なことがある。それは、さまざまな企業システム、IoTデバイス、データリポジトリ、コンポーネントを結び付けて、1つのARプラットフォームにまとめることだ。そうすれば、倉庫内の作業員、データ、機械がシームレスに統合される。

 企業は2017年最後のひと頑張りを終えて、2018年の欲しいものリストをまとめているところだろう。本稿では、ARが役立つ可能性のある3つの分野を紹介する。

1.新人研修や実地トレーニング時間の短縮

 ARがあれば、印刷マニュアルをデジタル化できる。デジタル化すれば、動画などの視覚的素材を記録できる。一連の指示をシンプルな個別の手順に細分化し、仕事を遂行している作業員のスマートグラスに表示することが可能だ。これにより、作業員は実際に仕事をしながら学習もできる。複雑なプロセスの理解が深まり、適切に業務を実行できるようになる。視野内に情報を表示することで、状況に応じて指示が与えられるため、認知のための負荷が軽減する。この方法は無線通話や音声を主体とするテクノロジーよりもはるかに効率的で、印刷物ベースのプロセスが大幅に減るだろう。

2.知識伝達の効率向上

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