製造業で拡張現実(AR)の活用が始まっている。実際の活用例を見ると、ARは生産性向上をはじめ、さまざまなメリットをもたらすことが分かる。
拡張現実(AR)をいち早く製造業や研修に取り入れた企業は、職場の業務改善や生産性向上の効果を実感している。一方でハードウェアとソフトウェアに改善の余地があることも見えてきた。
ARは実世界にさまざまなデジタル要素を重ね合わせる技術だ。その用途の一つに遠隔地の技術支援がある。顧客や現地作業者は、前面にカメラを搭載したメガネ型のウェアラブルデバイスを装着すれば、ストリーミング配信される生映像を視聴しながら、遠隔にいる専門家とリアルタイムにハンズフリーで通話ができる。
「製造業の現場ではARも切削工具と同じく道具の一種になる」。そう話すのは、SAS Instituteのシステムアーキテクトを務め、ARに詳しいマイケル・トーマス氏だ。作業者はヘルメットや保護メガネ、ボディーカメラのような装備を身に着けることに慣れている。一般の人も、作業者がそのような装備を身に着けているのを当然のように受け止める。
「空港の保安検査員がヘッドセットを付けていても違和感はない。同じヘッドセットをバーの客が着けていたら、そうはいかないだろう」とトーマス氏は語る。「Google Glass」で分かった通り、ウェアラブルデバイスは一般社会ではなかなか受け入れられなかった。だがGoogle Glassが終わったわけではなく、組み立て工場で活用できる「Google Glass Enterprise Edition」としてよみがえった。
ARとIoT(モノのインターネット)を組み合わせることにより、機械の分析情報をリアルタイムで確認でき、機械を分解しなくても内部を調べられるようになる。
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