建設業界を変えるIoTとVR/AR、具体的なメリットは?テクノロジーが可能にすること

モノのインターネット(IoT)とセンサーベースのテクノロジーは、作業員の安全やコストの削減、予知保全といった面で、建設現場に大きなメリットをもたらす可能性がある。

2018年02月07日 09時00分 公開
[Zachary RudzkiTechTarget]

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 モノのインターネット(IoT)とセンサーベースのテクノロジーは、作業員の安全やコストの削減、予知保全といった面で、建設現場に大きなメリットをもたらす可能性がある。こうしたテクノロジーは、大量のデータを収集し、さまざまな種類の分析を提供する。例えば、設備や環境の特定部分の現在状況を伝える記述的分析、潜在的な故障や安全面でのリスクの発生を予測する予測的分析、ワークフローを最適化して遅延とエラーを回避する方法を提供する処方的分析などがある。

予知保全

 センサーを備えた装置は、温度や可搬重量、明るさ、化学物質など、建築計画の各要素についての重要なデータを生成できる。こうした情報を利用すれば、火災に関する安全性や作業員の能力を超える作業の防止などに役立つ。また、損耗の度合いからメンテナンス計画を立てたり、建設現場の全体的な安全性に関する決定に影響を与えたりすることができる

 プロジェクトに必要な特殊機械の管理は、建設業界の多くの企業が掲げる重点投資項目の1つだ。重大な故障や、それに伴う修理や交換のコストがかさむのを避けるため、資産のメンテナンスは極めて重要だ。装置が最適な状態で稼働し続けるために必要なメンテナンスを、現在進行中のプロジェクトへの影響を抑えつつ適切なタイミングで行うことは、複雑なバランスを必要とする作業だ。

 メンテナンス時期を予測し、予防的にメンテナンスを行うセンサーベースのテクノロジーにより、オペレーターは装置の一部に的を絞ってメンテナンスを実行できる。必要に応じて装置が故障する前にメンテナンスを行えば、深刻な修理が減り、大幅にコストが削減され、プロジェクトのスケジュールに遅れが出ない。

 こうしたテクノロジーは、装置の状態を監視するだけなく、装置の正確な状況をオペレーターに伝え、メンテナンスの時期になったらオペレーターに注意を喚起することもできる。また、装置の特定部分が非常に高温になっている場合など、メンテナンスが必要と思われる状態で装置が稼働している場合に警告することも可能だ。警告を受けたオペレーターは温度を下げるために必要な措置を取るか、温度が下がるまで稼働を停止し、全体的なメンテナンスを避けることができる。

モノのインターネット

 こうしたセンサーやメンテナンス機構の多くはIoTを利用してデータを収集し、通信を行う。センサーを備えたアプライアンスに加え、現場の作業員がウェアラブル端末などのIoT対応デバイスを着用することも考えられる。生体測定機能を備えたウェアラブルデバイスは、作業員の心拍数や体温などのバイタルサインを測定し、極度の疲労状態になったり、日射病などにかかったりした場合に、安全管理者に警告できる。

 負荷測定センサーは、現場作業員を追跡して、作業員が現場の危険性やけがのリスクを認識できるようにする。マサチューセッツ工科大学(MIT)のチームは、靴底にセンサーを取り付けたネットワーク接続型の安全靴の研究に取り組んでいる。この靴は、作業員が推奨重量よりも重い荷物を持ち上げたときに警告を発し、安全な重量になるまで警告を発し続けるように設計されている。

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