在宅勤務などのテレワークを実施する企業の間では、常態化に向けた課題や、その対策として必要なIT製品の明確化が進み始めている。それらは具体的に何なのか。主要なニュースを基にテレワークの現状を追う。
在宅勤務などのテレワークは、働き方の一つとして定着しつつある。テレワークの常態化を見据えて、企業のIT部門はどのようなことを課題だと捉え、対策としてどのようなIT製品/サービスを導入しようとしているのか。IT投資動向の調査結果やテレワーク中の従業員の行動を解析するシステムなど、テレワークに関する主要なニュースを6本紹介する。
2020年度の「Web会議」市場規模は197億円に ITRが予想
新型コロナで中堅・中小企業の投資が急拡大したIT製品は? デル・テクノロジーズが調査
リモートアクセスにおけるWANの課題とは? IDC Japanが調査
2020年度のリモートデスクトップ市場は20億円規模に 拡大の理由は
シスコシステムズ、クラウド電話サービス「Cisco UCM Cloud」を国内で提供開始
テレワーク中の従業員の行動を解析するクラウドサービス CTCシステムマネジメントが販売
2020年度は感染症対策で対面でのコミュニケーションを避ける手段として導入が進んだことや、会議だけでなくウェビナー(オンラインセミナー)や従業員教育などに用途が拡大したことから、Web会議ツールの市場規模が拡大したというのが同社の見方だ。一方でWeb会議ベンダー各社は、需要の拡大によってインフラ増強や機能の拡張を迫られており、競争力の乏しいベンダーは市場から撤退が進むと同社はみる。同社の調査によると2019年度のWeb会議市場規模は111億4000万円。(発表:アイ・ティ・アール<2020年8月18日>)
同社は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が続く2020年6月から7月にかけて、中堅・中小規模(従業員100人以上1000人未満)の国内ユーザー企業約470社を対象に「IT投資動向調査追跡調査」を実施した。2020年度のIT投資対象のうち、COVID-19拡大に伴う緊急事態宣言前の同年1月に実施した同様の調査時と比べて、顕著な伸びを見せたのはセキュリティ対策だ。セキュリティ対策の平均投資見込み金額は198万円と、1月調査時の金額と比べて22.9%増加した。IT担当者の業務の割合(時間ベース)を見ると、PCやネットワークの導入と管理、セキュリティ対策の割合が1月調査と比べて10%以上増加した。(発表:デル・テクノロジーズ<2020年8月4日>)
2020年7月に同社が実施した調査によると、WANの課題のうちリモートアクセスに関するものとして「リモートアクセスでも拠点内からのアクセスと同等のユーザー体験を提供」(32.3%)が挙がった。WANの課題全体で最も多く挙がったのは「インターネットやWebアプリケーションなどのセキュリティ」だった。同社はテレワークでリモートアクセスの通信量が拡大した企業では、社内外を問わずセキュリティ対策を確実に実施するために、セキュリティ機能のクラウドサービスの採用が進むとみる。(発表:IDC Japan<2020年8月24日>)
アイ・ティ・アール(ITR)によると、PCの画面を他の端末に転送する「リモートデスクトップ」の2019年度の市場規模は、前年同期比16.4%増の13億5000万円だった。リモートデスクトップは、社外の端末で社内システムを安全に利用できるようにする。今後はテレワーク時の利用を目的とした導入が進み、2020年度はリモートデスクトップの市場規模が約21億円に拡大すると予想する。(発表:アイ・ティ・アール<2020年8月6日>)
同社のユニファイドコミュニケーション(UC)製品「Cisco Unified Communications Manager」(CUCM)を同社データセンターで稼働させて、クラウドサービスとして提供する。Cisco UCM CloudはCUCMと同様にIP電話やWeb会議、メッセージ送受信のための機能を搭載する。Cisco UCM Cloudが稼働するインフラはユーザー企業専有のプライベートクラウドだ。ユーザー企業は同社のデータセンターとの直接接続サービス「Webex Edge Connect」などの閉域網を通してCisco UCM Cloudを利用できる。セキュリティ対策のためにオフィス外で電話業務ができなかったり、会社の電話を利用するためだけに従業員が出社しなくてはいけなかったりする問題の解決に役立つ。最低利用者数は250人で、1ユーザー当たり月額1000円から利用できる。(発表:シスコシステムズ<2020年8月21日>)
エルテスが開発した行動解析サービス「Internal Risk Intelligence」を販売する。従業員のPC端末が操作されている時間帯や操作の頻度、端末内アプリケーションへのアクセス履歴など、従業員の行動に関するデータを人工知能(AI)技術で解析する。例えば従業員のPCで定時後にWebサイトへの接続が増えた場合は、マルウェアの感染や乗っ取りの可能性がある「不適切な操作」として検知し、アラートを発信する。セキュリティ対策の他、超過勤務や不就労の検知など、従業員の労務管理に利用することも可能だという。利用料金は月額40万円から。(発表:CTCシステムマネジメント<2020年8月26日>)
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