法律事務所がオールフラッシュにPure Storageを選んだ“決定的な理由”FlashArray//Mを活用

法律事務所のCSKは、サーバ仮想化ソフトウェアを「Hyper-V」から「VMware vSphere」に移行すると同時に、データの可用性を高めるためにオールフラッシュストレージアレイを導入した。どの製品をどう選定したのか。

2020年11月11日 05時00分 公開
[Garry KranzTechTarget]

 マイアミを拠点とする法律事務所Cole, Scott & Kissaneは、13カ所のオフィスを持ち、440人を超える弁護士を抱えている。「CSK」として知られるこの法律事務所にとって、取り扱い案件の管理と顧客への請求は極めて重要だ。

 CSKはサーバ仮想化ソフトウェアをMicrosoftの「Hyper-V」からVMwareの「VMware vSphere」に移行すると同時に、データ保管の一元化とシステムの可用性向上を目指し、ストレージアレイを刷新した。主要ストレージアレイであるプライマリーストレージおよびバックアップ用ストレージアレイであるセカンダリーストレージとして、同法律事務所はPure Storageのオールフラッシュストレージアレイ「FlashArray//M」シリーズを採用した。

「3年ごとのコントローラー無償アップデート」が選定を後押し

画像 CSKのジェイソン・トーマス氏

 CSKはそれまで幾つかのストレージアレイを保有していたが、データは異なるオフィスに分散していた。同社のCIO(最高情報責任者)、ジェイソン・トーマス氏は「VMware vSphereに移行する際、データ保管の一元化を重視した」と話す。Microsoftのデータベース管理システム「SQL Server」の他、ドキュメント管理やファイル保管用のデータを一元的に保管可能なストレージアレイを探していた。

 トーマス氏はCSKの案件管理システムと請求システムを利用する際に「素早いデータへのアクセスが必要だった」と語る。業界仲間からPure Storageのオールフラッシュストレージアレイをテストすることを勧められたのが、FlashArray//Mを採用するきっかけだった。「データ読み書き性能の高さを求めていたわけではないが、結果的にそうなった」とトーマス氏は振り返る。

 FlashArray//M以外にも、CSKはオールフラッシュストレージアレイの候補としてHewlett Packard Enterpriseの「HPE 3PAR StoreServ」やTintri by DDNの「Tintri VMstore」も検討した。結果的にFlashArray//Mを選択した理由について、トーマス氏は「3年ごとにストレージコントローラー(ストレージアレイの制御サーバ)を無償でアップデートできることが決定打になった」と話す。CSKはストレージ専門の技術者を雇用する計画はなかったため、この点は特に重要だったという。FlashArray//Mがあれば、別の製品を導入することなく最新の機能を導入し、継続的に拡張が可能になるからだ。

バックアップ用としてもFlashArrayを導入

 CSKはFlashArray//Mをバックアップ用データセンターにも導入し、システムが停止した際に自動的に予備のシステムに切り替える「フェイルオーバー」機能を実装した。Rubrikのバックアップソフトウェアと連携させることで、マルウェアなど外部からのデータ操作の影響を受けないイミュータブル(変更不可)のバックアップデータをアーカイブしている。

 バックアップにおいてトーマス氏が高く評価するFlashArray//Mの機能の一つがスナップショットだ。FlashArray//Mは5分間隔でスナップショットを取得し、プライマリーストレージとセカンダリーストレージ双方のFlashArray//M間でデータを同期する。「Rubrikのスナップショット機能を使うこともできるが、その必要はなかった」と同氏は言う。

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