ストレージのスタートアップ企業は、成功するよりも失敗に終わる可能性が高い。それでも、意欲のある企業がクラウド、バックアップ、コンバージェンス、フラッシュの革新的テクノロジーに挑んでいる。
毎年、勇敢な挑戦者がストレージスタートアップ企業を立ち上げ、大成功を収めるチャンスを求め、大きな賭けにでている。
Pure Storageはオールフラッシュのスタートアップ企業から公開会社へと変わることに成功した。一方、ハイブリッドベンダーのTintriはそうならなかった。Nutanixはハイパーコンバージドインフラ(HCI)という考え方に先駆けて取り組み、その過程でIT分野において名の知れた存在になった。だが、NimboxxというHCIスタートアップ企業を覚えているストレージ管理者はどれだけいるだろうか。
失敗する可能性が高いからといって、経験豊かなストレージイノベーター企業は競争へと戻ることをためらわない。ハイパフォーマンスストレージ機器の需要はかつてないほど高まっている。核となるデータセンターやエッジ環境での人工知能(AI)と分析への関心の高まりが、こうした需要を押し上げている。
大きな成功を収めていなくても、革新的テクノロジーを市場に送り出している企業は多い。大手ベンダーはそうしたテクノロジーを買収するか、模倣する。そのため、次のPure StorageやNutanixになる可能性がどうであれ、こうしたストレージスタートアップ企業は注目に値する。
エンドユーザーは、スタートアップ企業の製品採用を、そのテクノロジーで決めるわけではない。重要な問題は、新しいベンダーが持続可能なビジネスを作り上げ、長期にわたって生き残ることができるかどうかだ。
本稿では、2019年注目の有望新興企業を数社取り上げる。目を向けたのは、バックアップ、クラウド、コンバージェンス、フラッシュにまたがるストレージ製品やストレージサービスを提供する企業だ。本稿で取り上げるほとんどのストレージスタートアップ企業が提供する製品やサービスは、あらゆる一般企業に適合するだろう。だが、クラウドに目を向けるハイエンドデータセンターを明確にターゲットにする企業もある。
取り上げるのは以下のベンダーだ。
Burlywoodは、独自のSSDを作成するツールを提供する。同社の「TrueFlash」は、複数のクラウドワークロードに合わせてSSDをカスタマイズするために、プログラム可能なフラッシュコントローラーを備える。
米コロラド州ロングモントを拠点とするBurlywoodは、コモディティNANDフラッシュの階層の上にインテリジェントソフトウェア層を重ねている。その設計では、コントローラーにストレージエミュレーターを含め、メディアの不良やエラー率を管理する手法を組み込む。
大半の企業にとっては、コモディティ価格のSSDで十分だろう。BurlywoodがTrueFlashのターゲットにすのは、パフォーマンスの高いフラッシュに依存する大規模データセンターだ。ハイパースケールクラウドプロバイダーなどがその例だ。
Burlywoodは、ページストライプにデータをシーケンシャルに書き込んでから、そのデータとバッファーに格納されているデータを比較する。データページの比較に失敗すると、そのデータは別のページに再度書き込む。少なくとも一部の再書き込みがストレージによって認識されると、信号がホストに送信される。
TrueFlash SSDは、さまざまなI/Oパターンに対応するため、マルチストリームQoS(Quality of Service)機能によってパーティション分割される。Burlywoodによると、TrueFlashで構築したデバイスは、次世代フラッシュが利用可能になった時点でそれを即座に活用できるようファームウェア経由で再プログラミングできるという。
Burlywoodは、同社のフラッシュスタックの他に、社内で、あるいは委託製造業者を通じてSSDを設計中の顧客をガイドするための参照設計も用意している。
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