Google「Anthos」を利用できるHCIは? Kubernetesをハイブリッドクラウド化「HCI」×「Kubernetes」の主要製品【第4回】

「Kubernetes」と「HCI」(ハイパーコンバージドインフラ)の組み合わせはハイブリッドクラウドにも広がっている。Googleのハイブリッドクラウド構築サービス群「Anthos」を取り入れるHCI製品を紹介する。

2021年04月27日 05時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]

 第3回「Nutanix、Red Hat、NetAppの『HCI×Kubernetes』は? マルチクラウドも視野」に続き、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)でコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を運用するための製品を紹介する。本稿は、Googleのハイブリッドクラウド(オンプレミスインフラとクラウドサービスを組み合わせたインフラ)構築サービス群「Anthos」が動作するHCI製品を取り上げる。

NetAppの「NetApp HCI」

 NetAppは同社のHCIアプライアンス「NetApp HCI」で、ハイブリッドクラウドを構築するための他ベンダーとの協業を広げている。例えばGoogleとの協業では、同社のAnthosがNetApp HCIで動作することを検証済みだ。Anthosの根幹を成す機能でもあるコンテナ管理ツール「Google Kubernetes Engine」(GKE)を、NetApp HCIで運用できる。GKEは、Googleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)とオンプレミスインフラの両方でコンテナ運用ができるKubernetesディストリビューションで、ハイブリッドクラウドでのコンテナ管理を容易にする各種サービスを提供する。

HPEの「HPE SimpliVity」とCiscoの「Cisco HyperFlex」

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)も、同社のHCIアプライアンス「HPE SimpliVity」でAnthosを利用するための、動作検証済みの構成を提供する。NetApp HCIと同様、HPE SimpliVityでもGKEを実行できる。この構成を採用することで、比較的簡単にコンテナ化したアプリケーションの開発、テスト、運用のための環境を導入可能だ。

 Cisco Systemsも、同社のHCIアプライアンス「Cisco HyperFlex」でAnthosを利用できるようにしている。仮想マシンベースとコンテナベースの両方のアプリケーションに共通するインフラを提供することが同社の狙いだ。

HCIとKubernetes

 全4回の記事で紹介した、KubernetesをHCIに組み込んだ製品やサービスは、進行中の取り組みの一例にすぎない。HCIベンダーはさまざまな方法でコンテナをHCIに取り入れるための取り組みを推進しており、今回紹介したのはその代表的な例だ。コンテナネットワークを構成するための標準的なネットワークインタフェースの仕様「Container Network Interface」(CNI)をHCIに取り入れる動きもある。

 近い将来、ほとんどのHCI製品が何らかの形でコンテナに関連する機能を搭載するようになるだろう。そうしなければ取り残されてしまう。Kubernetesを取り入れるHCI製品は、従来のアプリケーションとコンテナで構築した新しいアプリケーションを同じインフラ製品で運用することを可能にする。同時に、インフラのリソース集約というHCIのそもそものメリットも実現する。これによってIT運用の合理化が進むだけでなく、新たなイノベーション(技術革新)を生み出す余地も生まれる。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「SATA接続HDD」が変わらず愛される理由とは

HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

市場調査・トレンド プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

クラウド統合を見据えたメインフレームのモダナイズ、3つの手法はどれが最適?

長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

Google「Anthos」を利用できるHCIは? Kubernetesをハイブリッドクラウド化:「HCI」×「Kubernetes」の主要製品【第4回】 - TechTargetジャパン サーバ&ストレージ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...