コンテナ型仮想化技術の人気上昇を受け、VMwareが戦略を転換しつつある。市場で優位に立っているRed HatやDockerに対抗するため、VMwareはどのようなアプローチを取るのか。
サーバ仮想化製品の大手ベンダーであるVMwareは、アプリケーションの実行環境を仮想化する「コンテナ」市場への参入に後れを取っている。調査会社IHS Markitの発表によると、2019年第1四半期(1〜3月)におけるコンテナ型仮想化技術の市場シェアはRed Hat(2019年7月にIBMが買収完了)が44%、Dockerが23%、VMwareは6%となった。
VMwareはそれまでのサーバ仮想化中心の戦略を転換した。仮想マシン(VM)を使わずコンテナとマイクロサービス(アプリケーションの構成要素となる小規模なサービス)を採用したり、両方の技術を採用してVMでコンテナを実行したりといったように、今後さまざまな形でアプリケーション開発と管理におけるコンテナ関連技術が台頭するだろう。VMwareとしては市場から取り残されるよりも地位を強化し、コンテナ関連技術を取り入れる方が得策だった。
コンテナはアプリケーション開発手法と密接に関係しており、開発者主導のオープンソースソフトウェア開発も盛んなことから、開発者コミュニティーが影響力を持っている。「VMwareはこれまでITインフラ管理製品/サービスを中心にビジネスを展開してきたものの、開発者コミュニティーでは強い存在感を示せていなかった」。調査会社IDCでソフトウェア定義コンピューティング担当リサーチディレクターを務めるゲーリー・チェン氏はそう語る。
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