「Kubernetes」か「Mesos」か【後編】
「Kubernetes」と「Mesos」 コンテナ管理にはどちらを選ぶべきか?
コンテナを連携させながら運用する場合では「Kubernetes」「Apache Mesos」のどちらを選ぶべきだろうか。システム構成や目的によって異なる選択のヒントを紹介する。
複数のコンテナを運用する方法は主に2つある。前編「コンテナ連携ツール『Mesos』とは? 『Kubernetes』との違いは」で紹介した、リソース管理ツール「Apache Mesos」(以下、Mesos)を用いる方法と、中編「『Kubernetes』で複数のコンテナを管理するには?」で紹介した、コンテナの運用管理を自動化するコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を利用する方法だ。
MesosとKubernetesの選択
MesosとKubernetesのどちらを採用すればよいのか。結局のところ、実績があるものと将来有望なもののどちらを選ぶかという問題になる。
Mesosの利点
Mesosにはコンテナを連携させるために有用な機能が複数ある。実行するのに物理環境か仮想環境かを問わず、何十万台ものサーバのCPUやメモリといったリソースをプール化して、無数のコンテナを運用できる環境を構築できる。連携する複数のコンテナを大規模運用する場合ではMesosが優勢だ。ただしMesosは利用できる機能群が豊富なため、Kubernetesよりも運用が複雑になる場合がある。
Kubernetesの利点
Kubernetesでコンテナを連携させるためのフェデレーション機能は、Mesosが想定する規模と同等規模のコンテナ群を運用するには実績が足りない。だがKubernetesはMesosよりも浸透している。広いユーザー基盤があり、コンテナエコシステムの中心に位置するため、Kubernetesへの移行を検討しているMesosユーザーもある。
リソース抽象化などかつてはMesosの領分だった機能が、Kubernetesでも実現できるようになってきた。HashiCorpのインフラ構成管理ツール「Terraform」とKubernetesを組み合わせることで、コンテナオーケストレーションを機能させるための普遍的なリソースモデルを構築可能だ。これにより、さまざまなリソースを任意のクラウドで管理できるアジリティ(俊敏性)をKubernetesにもたらす。
こうしたエコシステムによって、コンテナ連携の勢力図はMesosよりもKubernetesが有利な情勢に変わっていくだろう。Kubernetesエコシステムには、フェデレーションや監視、ライフサイクル管理、サービス検出、導入を円滑にするツールが充実している。これらの周辺ツールを併用したKubernetesは、次の2つ企業向けITシナリオで有用だ。
- 膨大ではなく、一般的な数のコンポーネントで構築されるアプリケーションが混在し、一部のフロントエンド要素にのみ負荷分散を必要とする場合
- ベンダーがKubernetesの運用管理をするマネージドKubernetesを使用する場合
Mesosが、より良い選択肢になる場合もある。例えば、それぞれが多数のコンポーネントから構成される少数のアプリケーションがあり、その負荷を自社のITインフラ全体で分散させる場合だ。Mesosは、このような環境を運用することがしばしばある大手インターネットサービス企業にとっては魅力だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「Kubernetes」か「Mesos」か
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品レビュー
[ヴィーム・ソフトウェア株式会社] SCS評価制度を導入するだけで十分? 組織の防御力を高める活用方法とは -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] AIランサムウェアに勝つ 自律型エンドポイント管理導入で確認すべき条件4つ -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント -
製品レビュー
[ネットアップ合同会社] 研究分野でAI活用が進まない? 真の成果につなげるデータ管理の在り方とは -
製品レビュー
[ヴィーム・ソフトウェア株式会社] SCS評価制度を導入するだけで十分? 組織の防御力を高める活用方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
2
VMware離れの決め手は“機能”以外だった 情シス109人が選んだ新基準と死角は
-
3
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
-
4
二極化する生成AI活用 「一部の社員しか使いこなせない」をどう解消すべきか
-
5
Claude Opus 5.5、GPT-6 Sol/Luna登場 情シスが迫られるモデル使い分け
-
6
なぜ情シスは評価されにくい? 読者調査で見えた「成果が見えない仕事」第1位は
-
7
デンソークリエイト、Excelからの移行も簡単に行えるプロジェクト管理ツールを発表
-
8
攻撃で“大慌て”になる企業に欠けていた「サイバーレジリエンス」の視点
-
9
大手エネルギー会社がAWS、Azure管理の一元化に「Sonrai Dig」を選んだ理由
-
10
Amazonが「脱Active Directory」にこだわった決定的な理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
2
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
3
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
4
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
5
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
6
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
7
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
8
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
-
9
AI活用を停滞させる「2:6:2の壁」を乗り越えるためのポイントとは?
-
10
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー