Kubernetes管理ツール「NKS」「Cloudify」「Terraform」「Rancher」を比べた7大「Kubernetes管理ツール」を比較【前編】

複数のパブリッククラウドやオンプレミスにまたがる「Kubernetes」環境を管理するIT管理者にとって、運用を簡素化する「Kubernetes管理ツール」が役立つだろう。主要ツールの特徴を紹介する。

2019年06月11日 05時00分 公開
[Tom NolleTechTarget]
画像

 コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」の活用が広がっている。IT業界における主要なトレンド、とりわけ複数のクラウドを使い分ける「マルチクラウド」との関係において、Kubernetesのエコシステム拡大が顕著だ。

 Kubernetesのユーザー企業は、パブリッククラウドやオンプレミスのインフラ内にクラスタを作成し、コンテナ化したアプリケーションのデプロイ(配備)を自動化できる。インフラのスケーラビリティ(拡張性)やレジリエンス(回復性)については、ユーザー企業自身で確保しなければならない。クラウドベンダーはKubernetesの機能をマネージドサービスとして利用可能にする「マネージドKubernetes」を提供している。こうしたマネージドKubernetesのユーザー企業は、負荷分散やネットワーク接続など、リソースのデプロイと運用を効率化できる。

 クラウドベンダーが提供するマネージドKubernetesは一般的に、Kubernetesを異なるパブリッククラウドで運用することは想定していない。複数のパブリッククラウドにまたがってKubernetesを運用する場合、それぞれのパブリッククラウドに「島」のように散在するアプリケーションのデプロイや運用に対処できる、Kubernetes管理ツールが必要になる。

 マルチクラウドでKubernetesを運用しようと検討しているIT管理者が選択できる方法は幾つかある。以下で複数のパブリッククラウドやオンプレミスにまたがって、コンテナベースのアーキテクチャを実現できる機能を備えたKubernetes管理ツールを紹介する。

1.NetApp Kubernetes Service(NKS)

 NetAppが提供するマネージドKubernetesの「NetApp Kubernetes Service」(NKS、NetAppが買収したStackPointCloudのサービスがベース)は、複数のインフラにまたがるKubernetes環境に共通の管理コンソールを用意する。Kubernetes管理ツールとしては著名で成熟した製品だ。NKSは個々のパブリッククラウドに導入したKubernetes環境を、個別のクラスタとして扱う。

 NKSの注意点は、主要なパブリッククラウドをサポートしているものの、オンプレミスのKubernetes環境を対象外にしている点だ。オンプレミスのプライベートデータセンターでもKubernetesを運用する場合、パブリッククラウドとオンプレミスのKubernetes環境を別々に運用する必要がある。

2.Cloudify

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

事例 株式会社BeeX

わずか4カ月でデータ分析基盤の内製化に成功、ロッテに学ぶDX推進の秘訣

ロッテはシステムのAWS移行を進める中、DX推進の鍵は内製化比率の向上にあると考え、内製化の強化に踏み切った。本資料では、内製化の実現に向け、支援を受けながら、初めて取り組んだAWS開発と人材育成を成功させた事例を紹介する。

製品資料 株式会社AIT

国際間の映像データ配信や拠点間での動画共有も高速で、ファイル転送の注目手法

大容量データの送受信には、通信遅延や帯域制限の課題がある。本資料では、高速で安全なデータ送信を実現できるファイル転送プラットフォームを紹介する。導入時に気になるポイントとともに、料金プランも分かりやすく解説している。

製品資料 発注ナビ株式会社

リードが商談化できない? SaaS導入のベンダー側と企業側の悩みを一掃する方法

SaaSの利用が拡大する中、ベンダー側と企業側の両方がさまざまな課題を抱えている。ベンダー側は商談につながるリードが獲得しにくいと感じており、企業側は製品の選定に困難さを感じているという。双方の課題を一掃する方法とは?

製品資料 NTTドコモビジネス株式会社

多様なデータを一元管理、次世代のコンテンツ管理基盤とは?

従来のファイルサーバで対応できない多様なデータを、効率的に管理・共有できる「全てのコンテンツ保管庫」として、クラウド型コンテンツ管理基盤にVPN接続機能を組み合わせたサービスが注目されている。その特徴をマンガ形式で紹介する。

製品資料 株式会社マヒト

3分で分かる、「名刺発注業務」を効率化するポイント

従業員の自己紹介に加えて、企業間の関係構築においても重要な役割を担う名刺だが、その発注業務は意外と手間がかかる。名刺の作成から注文まで、ミスを発生させずに効率化するにはどうすればよいのか。本資料では、その解決策を紹介する。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...