「Kubernetes」がさまざまなHCI(ハイパーコンバージドインフラ)製品で利用できるようになってきた。本稿はNutanix、Red Hat、NetAppの取り組みを紹介する。
第2回「『HCI』を『Kubernetes』でクラウドネイティブ化 VMwareとCiscoの動きは?」に続き、「HCI」(ハイパーコンバージドインフラ)でコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を運用するための製品を紹介する。本稿はNutanix、Red Hat、NetAppの製品を取り上げる。
NutanixはHCIを軸にした各種ソフトウェアを提供している。同社のHCIソフトウェアに無償で搭載できるハイパーバイザー「AHV」もその一つだ。NutanixはAHVに、Kubernetesクラスタ(コンテナを実行するサーバ群)を運用するためのソフトウェア「Nutanix Karbon」を追加した。Nutanix Karbonは、Kubernetesクラスタの構築やデプロイ(配備)など一連のライフサイクル管理を容易に実施できるようにする。異なるインフラにあるKubernetesクラスタと連携するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)も備える。
2020年には「Nutanix Karbon 2.0」が登場し、複数の重要な機能強化が加わった。例えば下記のような変更があった。
IBM傘下となったRed HatのHCIソフトウェア群「Red Hat Hyperconverged Infrastructure」(RHHI)は、ハイパーバイザー「KVM」ベースの仮想化ソフトウェア「Red Hat Virtualization」と、Kubernetesをベースにしたコンテナ管理機能群「Red Hat OpenShift」によって構成される。Red Hat OpenShiftは、OSS(オープンソースソフトウェア)のKubernetesでは利用できない、運用を簡素化する機能やセキュリティを高める機能を搭載する。
Red HatはNetAppと提携し、NetAppのHCIアプライアンス「NetApp HCI」でRed Hat OpenShiftを利用できるようにする構成も用意している。NetApp HCIは、VMwareの仮想化ソフトウェアとRed Hat OpenShiftの両方を組み込んだHCIアプライアンスだ。企業はこの組み合わせを採用することで、VMware製品による仮想環境でKubernetesクラスタを運用できる。
コンテナ向けストレージとして、Red Hatは「Red Hat OpenShift Container Storage」(Red Hat OCS)も提供する。これはRed Hat OpenShiftとの連携を前提にしたソフトウェア定義ストレージ(SDS)だ。Red Hat OCSはファイル、ブロック、オブジェクトの形式でデータを保管できる。Red Hat OpenShiftをベースに構築していればどのようなクラウドサービスでも利用でき、複数のクラウドサービスを組み合わせたマルチクラウド環境における単一のストレージとして扱える利点もある。
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