VMwareはデスクトップ仮想化をはじめとするデジタルワークスペース製品群を提供している。「VMware Horizon」「Workspace ONE UEM」などデジタルワークスペースの中核製品と、同社が提供する認定資格を説明する。
VMwareはサーバ仮想化やネットワーク仮想化といった仮想化製品を主力とする。同社のもう一つの主力製品分野に「デジタルワークスペース」がある。デジタルワークスペースは、エンドユーザーがどの場所にいても、どのデバイスを使っていても、共通のデスクトップやアプリケーションを利用できるようにする。エンドユーザーは仕事をする場所がオフィスでも、外出先でも、自宅でも、安全にデスクトップやアプリケーションを利用できる。
中編「『vSAN』『Virtual Volumes』(vVols)の違いは VMwareのストレージ仮想化製品」に続く本稿は、VMwareのデジタルワークスペース関連製品と、同社が提供する認定資格を説明する。
デジタルワークスペースの中核製品が、デスクトップ仮想化製品の「VMware Horizon」だ。IT管理者はVMware Horizonを使うと、「親イメージ」または「マスターイメージ」と呼ばれる1つの仮想デスクトップイメージを管理するだけで、複数のエンドユーザーが常に最新状態のデスクトップを使用できるようになる。
アプリケーション仮想化ソフトウェア「App Volumes」を併用すれば、IT管理者は仮想デスクトップのゲストOSとアプリケーションを独立して管理できる。インフラポリシー管理ツール「Dynamic Environment Manager」を併用すれば、エンドユーザーごとのポリシーに基づくアクセス制御が可能だ。
VMware Horizon、App Volumes、Dynamic Environment Managerの3製品を組み合わせると、VMwareが「JMP」(Just-In-Time Management Platform)と呼ぶ仕組みを構築できる。IT管理者はJMPによって、必要に応じてすぐに要件に合った仮想デスクトップを配備できるようになる。
VMwareのデジタルワークスペース製品群にはもう一つの主力製品がある。統合エンドポイント管理(UEM)ソフトウェアの「Workspace ONE Unified Endpoint Management」(Workspace ONE UEM)だ。Workspace ONE UEMはクライアントデバイスのインストール済みアプリケーションやMicrosoftのクライアントOS「Windows 10」の管理を可能にする。IT管理者はWorkspace ONE UEMを使用して、クライアントデバイスのライフサイクル全体を管理できる。
「VMware Workstation Player」は「Windows」「Linux」といったクライアントOSでVM(仮想マシン)を実行するホスト型ハイパーバイザーだ。同じくホスト型ハイパーバイザーの「VMware Fusion」は、AppleのクライアントOS「macOS」でVMを実行する。
エンドユーザーはVMware Workstation PlayerやVMware Fusionといったホスト型ハイパーバイザーを使うと、自身のPCでVMを実行できる。例えばさまざまなOSをテストする必要があるIT管理者、複数のシステムでアプリケーションを開発しなければならない開発者などに適している。
本連載が取り上げたほぼ全ての製品について、VMwareはドキュメントと認定資格を用意する。各製品の認定資格は難易度やIT管理者の知識のレベルに合わせて、
の4種類に分類できる。例えばVCPレベルの認定資格は、以下の5つの分野で取得可能だ。
これらの分野には上級資格のVCAPがあり、VCP取得者が次に取得を目指すことができる。各分野のVCDXが最上位認定資格となる。
VMwareの認定資格は、同社の主要製品の使用方法に重点を置く。データセンター仮想化の認定資格はサーバ仮想化ソフトウェア「vSphere」を重視し、ネットワーク仮想化の認定資格はネットワーク仮想化ソフトウェア「VMware NSX-T Data Center」を重視する、といった具合だ。これらの認定資格に加えて、専門家がストレージ仮想化ソフトウェア「vSAN」や統合監視ツールの「vRealize Operations」などの製品や機能に関する特定の知識があることを証明するための、デジタルバッジ制度も存在する。
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