HCI(ハイパーコンバージドインフラ)製品の比較に有効
HCIの主要コストがすぐ分かる「TCO計算チェックリスト」
「HCI」(ハイパーコンバージドインフラ)製品の導入を検討する企業は、各製品のTCOを比べると、自社に適した製品を選びやすくなる。TCOを計算するにはどうすればいいのか。まず確認すべきチェックリストを示す。
企業はIT製品を購入する際、何らかのROI(費用対効果)を求める。ROIを決める要素は「投資によって得る収益」と「投資の総コスト」の2つだ。IT製品の正確なコストを算出するため、企業は一般的にTCO(総所有コスト)という指標を使用する。
企業の間では現在、サーバやストレージ、ネットワーク機能などを1つの筐体に集約し運用しやすくした「HCI」(ハイパーコンバージドインフラ)製品の導入検討が進んでいる。HCI製品のTCOを考察する。
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TCOの計算方法はさまざまだ。企業によっては、ハードウェア、ソフトウェア、システム運用管理のコストのみを含め、導入に携わった従業員の人件費を計上しないことがある。IT製品導入に携わるか携わらないかを問わず、従業員には給与を支払っているため、IT製品に関するコストには人件費を含めないということだ。
導入検討の企業は見落とせない、「HCI」のTCO計算チェックリスト
HCI製品のTCOを計算する際、企業はどのような要素を考慮すればよいのだろうか。主要な要素は以下の通りだ。
- 購入価格
- 企業がHCI製品を購入するためにベンダーに支払う総額。
- 導入コスト
- 企業がHCI製品を導入するために費やした、人件費や外部サービスコストの総額。
- 追加ソフトウェアコスト
- 個別のハイパーバイザー(仮想マシンの制御プログラム)のライセンスを調達するなど、企業がHCI製品にソフトウェアを追加する場合に発生したコスト。
- データセンターのスペース利用コスト
- 企業がHCI製品の導入に伴い新たに利用する、データセンター内のスペースの利用コスト。データセンターの総スペースは、企業が従来型インフラ(サーバ層、ストレージ層、ネットワーク層の3層から成る3層アーキテクチャに基づくインフラ)で使っていたスペースよりも小さくなる傾向がある。
- 電力コスト
- HCI製品の運用に必要な、冷却などの電力コストの総額。ベンダーがうたうHCIのメリットが、より少ないハードウェアでアプリケーションを運用できることだ。そのため電力コストを抑えやすくなる。
- 運用管理コスト
- HCI製品の運用管理を担う従業員の人件費(給与や福利厚生)の総額。HCIは従来型インフラよりも管理作業を削減しやすく、TCOを減らせる可能性がある。
HCI製品のTCOを左右する他の要素
複数ベンダーのHCI製品を検討する企業にとって、上記要素のチェックは重要だ。ただし他にも忘れてはならない要素が幾つかある。以下で紹介しよう。
- ハイパーバイザー
- HCI製品の中には、ハイパーバイザーを事前に組み込み、企業が個別に購入する必要をなくした製品がある。例えばNutanixやScale ComputingなどのHCI製品がそれだ。それ以外のHCI製品を導入する場合、ハイパーバイザーの購入コストが発生する。
- 全体的な処理速度
- この要素は、企業がHCI製品で稼働させるアプリケーションに左右される。高い処理速度を必要とするアプリケーションを稼働させる場合、高性能なHCIを導入した方が、必要なハードウェアが減る可能性がある。例えばPivot3のHCI製品は、高速なデータ処理を可能にするストレージインタフェース「NVMe」を利用可能にしている。これにより他ベンダーのHCI製品ほど多くのハードウェアを購入せずに済む可能性がある。
- データ保護
- 全てのHCI製品がデータバックアップ機能をデフォルトで組み込んでいるわけではない。ただしHewlett Packard Enterpriseの「HPE SimpliVity」など、バックアップ機能を標準搭載するHCI製品もある。こうしたHCI製品を選べば、企業はHCI製品導入に伴う追加コストを回避しやすくなる。
- リソースの個別スケーリング
- HCI製品の中には、CPUやメモリといったコンピューティングリソースとストレージリソースを個別にスケーリング(拡大や縮小)できる製品がある。これらは使用していないハードウェアのコストを抑えるのに役立つ。例えばNetAppのHCI製品は個別スケーリングを可能にしている。
HCI製品を購入する前に、企業は各ベンダーの製品を比較することが重要だ。比較の際には、それぞれのHCI製品が自社にもたらす推定TCOを計算することをお勧めする。本稿が紹介した要素は、企業がHCI製品のTCOを把握するための出発点になるはずだ。
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