Goldman SachsはAmazon Web Servicesとの協力関係を土台に、金融データのリアルタイム分析に利用できるクラウドサービス群を他の金融機関に向けて提供する計画だ。なぜこうしたクラウドサービスを提供するのか。
大手金融機関Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)はAmazon Web Services(AWS)と協力し、金融機関をはじめとする金融サービス業界の他の企業に向けて、金融に関するデータマネジメントとデータ分析を目的に利用できるクラウドサービス群「Goldman Sachs Financial Cloud for Data」の開発を進めている。前編「ゴールドマンが“クラウドベンダー”に? AWSと始めた『金融クラウド』の正体」に引き続き、Goldman Sachsが同サービスを提供する狙いを説明する。
Goldman Sachsの共同CIO(最高情報責任者)を務めるマルコ・アジェンティ氏は、2020年初頭に公開した社内メールで次のように述べている。アジェンティ氏は2019年に同社に入社する前に、AWSでテクノロジー担当のバイスプレジデントを務めていた。
AWSがAmazon.comの運用を合理化するインターネットサービスとして登場し、他の企業に同じメリットを提供する社外向けサービスへ変化したのと同じように、当社のコアテクノロジーサービスも他の金融機関に対して社外販売できます
Goldman Sachs Financial Cloud for Dataの開発を通して、Goldman SachsとAWSはより緊密な関係を構築する決定を下している。もとより両社には10年以上にわたる協力関係にある。Goldman Sachsは過去にもAWSと協力して、個人顧客向け金融サービス「Marcus」といったデジタルバンキングサービスを市場に投入している。
それまで機関投資家に普通預金口座を開設してもらうことを事業の中心にしてきたGoldman Sachsにとって、Marcusの展開は新たな船出のようなものだった。AWSのCEOを務めるアダム・セリプスキー氏は次のように話す。「Goldman Sachsと連携する中で、われわれはGoldman Sachs以外の金融サービス企業に対して、データマネジメントとデータ分析の支援をする大きな機会があることに気付いた」
Goldman Sachs Financial Cloud for Dataは、Goldman Sachsの数十年に及ぶ投資データと金融分析の経験を、AWSのクラウドインフラと組み合わせたサービスだと、セリプスキー氏は話す。同サービスのエンドユーザーは、資産管理者や投資ファンド運用担当者など、金融サービス業界に所属するさまざまな職種の人々だ。セリプスキー氏によると、エンドユーザーは最低限の設定作業でGoldman Sachsが使用している最新の定量的手法を利用して、幅広い種類の金融データ群を大規模にリアルタイム分析できるようになる。
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