スクラムマスターの5大認定資格【第1回】
スクラムマスター認定資格「PSM」(Professional Scrum Master)とは? 合格するには
スクラムマスターの認定資格には幾つかの選択肢がある。そのうち「Scrum.org」が提供する「Professional Scrum Master」にはどのような特徴があるのか。
「スクラム」は、開発チームのメンバーに役割やタスクを割り振り、メンバー同士の連携を取りながらプロジェクトを進める開発手法だ。スクラムにおいて、チーム全体の調整役を担う人を「スクラムマスター」と呼ぶ。
IT担当者に「スクラムマスターの専門家」と称することを認めるオンライン学習コースや試験は複数ある。ただしスクラムマスターには明確な業界標準がない。そのため認定資格の質や難易度、認定資格が保証する能力は、認定資格ごとに大きく異なる。
本連載は、スクラムマスターとして職務経歴書に記載できる5つの認定資格を紹介する。スクラムマスターとして成功を収めたい、あるいは次期プロジェクトでスクラムマスターのプロフェッショナルを雇用したいと考える開発者の参考になれば幸いだ。
認定資格1.Professional Scrum Master(PSM)
スクラムに関する教材を提供するWebサイト「Scrum.org」の「Professional Scrum Master」(PSM)は、代表的なスクラムマスター認定資格だ。Scrum.orgを立ち上げたケン・シュエイバー氏は、スクラムの共同提唱者であり、スクラムのガイドライン「Scrum Guides」の共同執筆者でもある。シュエイバー氏がScrum.orgを立ち上げた事実は、同サイトが提供するトレーニングと認定資格に高い尊厳と信頼性をもたらす。
PSMのレベル
Scrum.orgは以下3つのレベルのPSMを提供する。それぞれの番号は、難易度と合格に必要な知識の深さを示す。
- Professional Scrum Master I(PSM I)
- Professional Scrum Master II(PSM II)
- Professional Scrum Master III(PSM III)
PSM Iの試験は
- Scrum Guideの基本的な知識
- スクラムの価値に対する理解度
- スクラムの柱となる要素の知識
をテストする。PSM Iは、スクラムの専門家として認められたいと考えるIT担当者にとって、最低限必要となる認定資格だ。
PSM IIの試験は、スクラムの応用手法を扱う。例えば
- 開発チームを指導する方法
- スクラムを通じて成果物を適切に生み出す方法
- スクラムにおけるアンチパターン(失敗に陥る典型的なパターン)の回避方法
- 取り組み内容がスクラムのルールから外れる「ScrumBut」など
- スクラムにおける重要なアクティビティーの実施方法
- スプリント(短く区切った開発期間)の振り返りや、日々のスタンドアップミーティング(立ったまま実施する簡単な会議)など
といったことに関する知識が問われる。
PSM IIIは3つの中で最も高度な資格だ。PSM III認定試験の受験者は、スクラムを利用してチームの複雑な問題を解決する方法や、困難な状況に対処する方法に関する知識を問われる。開発者やプロダクトオーナーの観点から課題を解決する方法に関する知識も必要だ。他のPSM認定試験は選択式だが、PSM III認定試験には小論文形式の設問がある。
各レベルで認定を受けたスクラムマスターの人数は、2022年時点で
- PSM Iレベルのスクラムマスター認定を受けたのは46万人以上
- PSM IIレベルのスクラムマスター認定を受けたのは1万8000人
- PSM IIIレベルのスクラムマスター認定を受けたのは1000人強
だ。他者との差異化を図りたければ、PSM IIIの取得を目指すとよい。
第2回は2つ目の認定資格を紹介する。
TechTarget発 エンジニア虎の巻
米国TechTargetの豊富な記事の中から、開発のノウハウや技術知識など、ITエンジニアの問題解決に役立つ情報を厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 エンジニア虎の巻
米国TechTargetの豊富な記事の中から、開発のノウハウや技術知識など、ITエンジニアの問題解決に役立つ情報を厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[キヤノンマーケティングジャパン株式会社] マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か? -
市場調査・トレンド
[キヤノンマーケティングジャパン株式会社] 有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは -
製品資料
[キヤノンマーケティングジャパン株式会社] マンガで解説:情シスの負担を減らす「MDRサービスのインシデント対応」の中身 -
市場調査・トレンド
[SANS Training Japan 合同会社] “知識”では守れない AI時代に問われる実戦力の身に付け方 -
製品資料
[株式会社イトーキ] 会議室不足を解決する「AI×データ」活用術
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
SAPやOracleが警戒する「ERPの土管化」 汎用AIとの主導権争いが激化
-
5
年収が増えても幸せになれない 給与増でエンジニアが直面する「幸福度の壁」
-
6
Microsoft 365移行で露呈した標準機能の限界 地方銀行は上長承認や「脱PPAP」をどう実現?
-
7
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
8
ITエンジニア1265人調査 生成AIを使い込むほど「人の確認」が重い理由
-
9
「また同じ説明か」 消費者の半数が離脱するAIチャットbotの“記憶喪失”
-
10
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
3
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
4
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
5
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
6
SASE選定は「見極め力」で大きな差――本当に必要な製品を選ぶための6つの視点
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
9
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー