スクラムマスターの認定資格には幾つかの選択肢がある。そのうち「Scrum.org」が提供する「Professional Scrum Master」にはどのような特徴があるのか。
「スクラム」は、開発チームのメンバーに役割やタスクを割り振り、メンバー同士の連携を取りながらプロジェクトを進める開発手法だ。スクラムにおいて、チーム全体の調整役を担う人を「スクラムマスター」と呼ぶ。
IT担当者に「スクラムマスターの専門家」と称することを認めるオンライン学習コースや試験は複数ある。ただしスクラムマスターには明確な業界標準がない。そのため認定資格の質や難易度、認定資格が保証する能力は、認定資格ごとに大きく異なる。
本連載は、スクラムマスターとして職務経歴書に記載できる5つの認定資格を紹介する。スクラムマスターとして成功を収めたい、あるいは次期プロジェクトでスクラムマスターのプロフェッショナルを雇用したいと考える開発者の参考になれば幸いだ。
スクラムに関する教材を提供するWebサイト「Scrum.org」の「Professional Scrum Master」(PSM)は、代表的なスクラムマスター認定資格だ。Scrum.orgを立ち上げたケン・シュエイバー氏は、スクラムの共同提唱者であり、スクラムのガイドライン「Scrum Guides」の共同執筆者でもある。シュエイバー氏がScrum.orgを立ち上げた事実は、同サイトが提供するトレーニングと認定資格に高い尊厳と信頼性をもたらす。
Scrum.orgは以下3つのレベルのPSMを提供する。それぞれの番号は、難易度と合格に必要な知識の深さを示す。
PSM Iの試験は
をテストする。PSM Iは、スクラムの専門家として認められたいと考えるIT担当者にとって、最低限必要となる認定資格だ。
PSM IIの試験は、スクラムの応用手法を扱う。例えば
といったことに関する知識が問われる。
PSM IIIは3つの中で最も高度な資格だ。PSM III認定試験の受験者は、スクラムを利用してチームの複雑な問題を解決する方法や、困難な状況に対処する方法に関する知識を問われる。開発者やプロダクトオーナーの観点から課題を解決する方法に関する知識も必要だ。他のPSM認定試験は選択式だが、PSM III認定試験には小論文形式の設問がある。
各レベルで認定を受けたスクラムマスターの人数は、2022年時点で
だ。他者との差異化を図りたければ、PSM IIIの取得を目指すとよい。
第2回は2つ目の認定資格を紹介する。
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