ストレージベンダーのVast Data は、容量30TBのSSDを同社製ストレージシステムに搭載した。単にデータ保存量を増加させるだけではなく、ある点でもメリットが得られることが分かったという。それは何なのか。
「SSDとHDDのどちらを利用するか」を検討する際、容量だけではなく消費電力量にも着目する動きが出ている。ストレージベンダーVAST Dataは、同社のストレージシステム「Universal Storage」に容量30TBのSSDを搭載した。同社の共同創業者兼CMO(最高マーケティング責任者)のジェフ・デンワース氏は、「このストレージシステムはHDDの終わりを宣告する製品だ」と主張する。その理由は、容量の問題だけではない。ある点においても明確な違いが出るためだ。
容量30TBのSSDを搭載したUniversal Storageの消費電力は「HDDを搭載するストレージシステムと比べて約12分の1になる」とデンワース氏は説明する。データセンターの消費電力量を削減しようとする企業にとって、この違いは意味がある。
デンワース氏によれば、ストレージシステムの消費電力量を削減する上で重要なのは、筐体当たりのデータ保存の密度を高めることにある。それに有効なのが1つのメモリセルに4bitを格納する「QLC」という記録方式だ。「データセンターの消費電力量を削減しようとする企業の動きが強まるのと同時に、QLCのSSDを搭載するストレージシステムよりも大容量の製品が出てくる」(同氏)
ストレージシステムの消費電力量を削減するため、VAST DataはQLCのSSDを採用するだけではなく、ストレージの電力制御機能「Universal Power Control」を提供する。Universal Power Controlは、CPUのタスクをスケジューリングすることで、ストレージシステムの消費電力量を減少させることができる。「約30%の消費電力量の削減が可能だ」とデンワース氏は説明する。
VAST DataはSSDの活用を検討する中で、データの書き込み時と読み込み時の消費電力量に違いがあることに気づいた。これがUniversal Power Controlの開発につながったという。
QLCのSSDを採用することで、Vast Dataは
といったメリットが得られると見込む。
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