Western DigitalがHDDにフラッシュメモリを搭載する新しいストレージアーキテクチャを明らかにした。これは単なるハイブリッドHDDではないという。何が決定的に違うのか。
Western DigitalはHDDとフラッシュメモリを組み合わせる新しい技術「OptiNAND」を発表した。HDDにフラッシュメモリを搭載する「ハイブリッドHDD」はこれまでにも登場している。OptiNANDはそうした既存のハイブリッドHDDとは異なるという。
まずOptiNANDのHDDは、フラッシュメモリにメタデータ(データそのものの付帯情報)を格納することで従来のHDDにはないメリットをもたらす。
OptiNANDはHDD組み込みのフラッシュメモリを使用することでプラッタ(磁気ディスク)の記録密度を高め、容量が増加する。ストレージへの記録前に揮発性メモリに一時的にデータを保管する「書き込みキャッシュ」を無効にした場合の、書き込み速度も向上する。通常、書き込みキャッシュを有効にすると電源を失うことでデータ損失が起きる可能性があるが、OptiNANDはそのリスクを軽減する。
Western Digitalは、OptiNANDを使用する同社初の製品として9枚の磁気ディスクを備える容量20TBのHDD製品を開発した。同社は、2030年までに50TBの容量を備えるHDDを製造できると見込んでいる。
「至る所でデータが増加している。そのデータはどこかの物理的なストレージに格納される必要がある」。Western Digitalでグローバルテクノロジーおよび戦略部門のプレジデントを務めるシバ・シバラム氏はそう言う。データをクラウドサービスに預ける場合でも、データはやはり物理的なストレージに格納される。「ストレージの記録密度が向上すれば、クラウドベンダーはデータセンターの床面積をより効率的に使える」とシバラム氏は話す。
OptiNANDは、HDDに組み込みフラッシュメモリ「iNAND」を搭載する。だがこれは単なるハイブリッドHDDではない。OptiNANDのフラッシュメモリはデータそのものを格納しないからだ。アクチュエータ(データを読み書きする磁気ヘッドを動かす部品)への命令など、HDD操作に関するメタデータだけを格納する。
メタデータをフラッシュメモリにオフロードすることによるメリットをまとめよう。
Western Digitalは、ストレージベンダーのSeagate Technologyや東芝デバイス&ストレージと競争している。OptiNANDはその競争に勝ち抜くための新しい技術だ。Western Digitalは今後、OptiNANDを全てのHDD新製品に使用する可能性がある。
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