ゲーム会社が語る「これからの開発に欠かせないもの」とは?ゲーム業界を支える最新技術【後編】

ゲームのコンテンツや機能は進化を続けており、それに合わせて制作方法も変わっている。最新技術を積極的に取り入れるゲーム開発会社Ubisoftが注目するゲーム開発のやり方とは。

2022年08月17日 05時00分 公開
[Aaron TanTechTarget]

 月日の経過とともに、ゲームには新しいコンテンツや機能が追加されてきた。「ゲーマーが長期にわたってプレイするゲームタイトルは、制作方法を変える必要がある」と、コンピュータゲーム開発会社Ubisoft Entertainmentでシンガポール担当マネージングディレクターを務めるダリル・ロング氏は言う。同社はゲーム業界の最前線で活動するため、何を取り入れているのか。

「これからのゲーム開発」に必要なものとは?

 Ubisoftは、クラウドインフラへの投資を強化している。同社はクラウドベンダーとの連携を強めることに加えて、ゲーム業界向けにホスティング事業を展開するi3D.netを買収した。これらは、クラウドインフラの技術をいち早く採用するための戦略だとロング氏は語る。

 開発者がゲームの複雑な仮想世界を制作するには時間がかかる。その時間を短縮するため、Ubisoftが2000年代から使用してきたのが、独自開発のゲームエンジン「Anvil」だ。ロング氏はAnvilについて「ゲーム機器やPCで動作するよう設計されたものだ」と述べる。このゲームエンジンをクラウドインフラに移すことは、同社にとって大きな投資かつ挑戦だという。

 「ゲーム制作において、インフラの側面がますます重要になっている」とロング氏は指摘する。例えばゲームのソースコードを書く際、拡張性を考慮する必要がある。

 他にも、ゲーム開発にはプラグアンドプレイ(一般的な意味は差し込むだけで使える状態になること)のやり方を採用すべきだとロング氏は語る。つまり、コンポーネント(ソフトウェアやシステムを構成する部品)の利用や交換、削除、機能のオン・オフを動的に実施するということだ。この手法はモバイルアプリケーション業界が先導し、コンピュータゲーム業界は追随しているとロング氏はみる。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news148.jpg

天候と位置情報を活用 ルグランとジオロジックが新たな広告サービスを共同開発
ルグランとジオロジックが新たな「天気連動型広告」を共同開発した。ルグランが気象デー...

news130.jpg

“AI美女”を広告に起用しない ユニリーバ「Dove」はなぜそう決めたのか
Unilever傘下の美容ケアブランド「Dove」は、「Real Beauty」の20周年を機に、生成AIツー...

news099.png

有料動画サービス 34歳以下では過半数が利用経験、4割は1日1回以上利用
「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アド レポート 2024」を基に、テレビ画面での動...