ゲーム業界には、以前からゲーム開発における“ある制約”があった。ゲーム開発はそれを乗り越えるために、どのようなやり方を採用しているのか。ゲーム開発の最前線を追う。
中世の村からネオンの輝く都市まで、ゲーム開発者はゲーマーが息をのむ仮想世界を生み出す。その仮想世界を支えるコンピューティングリソースは膨大だ。ハードウェア性能が時代とともに向上するのに合わせ、ゲーム開発者が必要とするコンピューティングリソースも増大してきた。ゲーム開発者が向き合ってきた課題と、それを解消する方法とはどのようなものなのか。
「ゲーム開発は、ビデオゲームの時代からハードウェアに制約されてきた」と、コンピュータゲーム開発企業Ubisoft Entertainmentでシンガポール担当マネージングディレクターを務めるダリル・ロング氏は語る。同社はこれまでに「Far Cry」や「Assassin's Creed」などのゲームを発表してきた。
Ubisoftの野望は、巨大で生き生きとしたゲーム世界の創出だとロング氏は語る。しかしそれを実現するには、開発現場ではメモリ不足やプロセッサのパワー不足などの問題が起こりがちだという。
ロング氏によると、クラウドコンピューティングの登場によりゲーム開発における技術的制約は緩和された。クラウドインフラには必要に応じて迅速に拡張できる利点がある。ストレージの容量を必要に応じて追加したり、負荷に応じてCPUやメモリなどのサーバスペックを増減させるスケールアップやスケールダウンをしたりすることが可能だ。
クラウドインフラを用いて、Ubisoftは「常時接続」のゲーム体験を提供する。人工知能(AI)技術搭載の同社のゲーム環境は、プレイヤーの不在時も変化を続けている。例えば、Assassin's Creedをゲーム機「PlayStation」でプレイする場合、電源をオフにするとゲームは停止する。しかしクラウドインフラでは、プレイヤーの不在時もゲームは進行し続ける。クラウドインフラで稼働するゲームでは、プレイヤーは他のプレイヤーと同時にプレイできる。インフラはプレイヤーの数に応じてスケールアップやスケールダウンをする。
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