セキュリティ教育の「国が認めたハイレベル校」が教えていること英国「セキュリティ教育認定制度」の実態【後編】

「セキュリティ教育の質が高い」と国が認めた教育機関は、どのようなセキュリティ教育を実施しているのか。英国NCSCの「CyberFirst Schools」「CyberFirst Colleges」の認定を受けた教育機関の取り組みを紹介する。

2022年08月05日 08時15分 公開
[Alex ScroxtonTechTarget]

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 英国のセキュリティに関する政府機関である国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)は、質の高いサイバーセキュリティ教育を実施する英国内の教育機関を評価する認定制度「CyberFirst Schools」および「CyberFirst Colleges」を設けている。NCSCは2022年3月、新たに8校をCyberFirst Schools/Collegesに認定した。新たに認定を受けた教育機関は、どのような取り組みを進めているのか。認定校8校のうち3校について、各校が実施している主なセキュリティ教育を紹介しよう。

脱出ゲームから“IT女子”増加策まで 認定校のセキュリティ教育の実態

  • All Saints Academy
    • マネージドサービスプロバイダー(MSP)のCGIセキュリティチームの協力を得て、同校の生徒向けに「サイバー脱出ゲーム」を実施した。
  • Corfe Hills School
    • 業界から講演者を招いた講演会を実施し、セキュリティ体験について語ってもらった。
  • Thorp Academy
    • 8年生のコンピューティングカリキュラムに暗号化と暗号モジュールの入門講座を取り入れている。さらにIT分野の女性を称賛するイベントを主催し、英国の義務教育後の卒業認定試験「GCSE」(General Certificate of Secondary Education)を受講する女子生徒が増えるように働きかけた。

 NCSCは、CyberFirst Schools/Collegesの認定校に対して複数の特典を提供する。例えばセキュリティ教育に関する専門知識やリソースを提供したいと考えている企業や大学と関わり合う機会を設ける。

 CyberFirst Schools/Collegesの運用が始まったのは2020年だ。NCSCは、まず南西イングランドのグロスターシャーで試験運用を実施し、2020年にウェールズに対象地域を拡大。2021年には北アイルランドに加えて、南西イングランドの他地域や北東イングランドも対象地域とした。

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