教育機関のIT導入事例や、教育機関向けIT製品に関する記事を数多く掲載した2014年。その中で、読者に最も読まれた記事は何か? 2014年の教育IT関連の記事ランキングを紹介します。
TechTargetジャパンは2014年、専門メディア「教育IT」の開設を皮切りに、教育機関のIT導入事例や教育機関向けIT製品/サービスを数多く取り上げてきました。2014年に最も読まれた教育IT関連記事は、「教育費の差を“学力格差”に変えない無料ネット学習塾『アオイゼミ』」」でした。2位の「Keynoteを超えた? iPad用プレゼンアプリの新標準『ロイロノート』」と併せて、教育とテクノロジーを融合した「EdTech」分野で注目すべき教育機関向け製品/サービスを紹介する連載、「EdTechフロントランナー」の記事が1位と2位を飾りました。
学習者の経済的な状況や済む地域によらず、通常の塾と遜色ない教育サービスを幅広く提供する――。1位の記事で紹介した葵のオンライン学習塾であるアオイゼミは、同社CEOである石井貴基氏のこうした思いをITの力で具現化したサービスです。アオイゼミは必ずしも教育機関での導入や利用を前提としたサービスではないため、教育機関向けIT製品/サービスを紹介するEdTechフロントランナーで紹介すべきかどうかを検討した経緯があります。それでも、アオイゼミやその誕生の背景にある考え方は多くの教育関係者にとって参考になるはずだと考え、「番外編」という位置付けで取り上げました。
授業や講義でタブレットを活用したり、活用を検討する動きが急速に広がったのも、2014年の大きな動きの1つです。3位の「『iPadしか使わない学校』は時代遅れに――デジタルハリウッド大学 栗谷幸助 准教授」から、10位の「タブレットは紙と鉛筆の“置き換え”ではない――袖ヶ浦高校 永野教諭」まで、上位10本中6本と過半数がタブレット利用関連の記事となりました。
2014年は、タブレット市場を拡大させた立役者でもある、米Appleの「iPad」活用事例を比較的多く取り上げました。操作性の高さ、教育関連アプリケーションの充実度などから、幅広い教育機関が根強く支持しています。7位の「iPad miniを導入した広陵高等学校、『ITは生徒の進路も変える』」で紹介した広島県の広陵高等学校のように、学習者ではなく教員がiPadを利用する教育機関もあります。その際は学習者の机を巡回する机間巡視のしやすさなどから、小型の「iPad mini」を選択することも多いようです。両者の使い分けについては、9位の「『iPad Air』と『iPad mini Retina』、タブレット授業のプロはどちらがお好き?」が参考になるはずです。
iPad以外にも、米Googleの「Android」や米Microsoftの「Windows 8/8.1」を搭載したタブレットも充実し、教育機関の選択肢は広がっています。特に、6位の「“筑駒”が『Surface Pro』を選んだ理由」でも取り上げた「Surface Pro」シリーズをはじめとするWindowsタブレットは、佐賀県が全県立高等学校の生徒向け端末として採用するなど大規模導入の動きがあります。2015年は、日本マイクロソフトが教育系など公共系Windowsアプリケーションのクラウドサービス化を推進するなどの動きがあり、今後の動向に注目が集まります。
教育機関も企業でも、単にタブレットを導入しただけでは、その真価を引き出すことはできません。導入の目的を明確にすることももちろんですが、その目的達成に役立つアプリケーションの選定や導入も重要です。特に教育機関の注目を集めつつあるのが、情報共有やコミュニケーションに利用する情報系システム。一斉授業や個別指導といった授業スタイルに加えて、ディスカッションなど学習者同士の交流を盛り込んだ授業をしたいと考える教育機関の中には、情報系システムを有効活用しているところが少なくありません。
こうした状況を反映してか、4位には「日本大学が『Google Apps』に満足できなかった理由」、5位には「“品女”はなぜ『企業向けEvernote』を大規模導入したのか」と、情報係システムの導入事例を紹介した記事が上位にランクインしました。
上位10本からは漏れましたが、無線LANやIaaS(Infrastructure as a Service)といったインフラ構築、大規模公開オンライン講座(MOOC)の活用など、2014年は教育IT関連の話題を数多く紹介しました。2015年も引き続き、教育機関のIT製品/サービスの導入、選定に役立つ記事を充実させていきます。
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