レンサバ会社がゲーム用サーバに「Optane」を使う理由オンラインゲームを支える永続メモリ【後編】

オンラインゲーム用サーバを提供するGPORTALは、メインメモリの拡張のためにIntelの「Optane」を採用した。CPUやメモリ、Optaneの動作モードを使い分けることで各種オンラインゲームの要件を満たしているという。

2021年10月21日 05時00分 公開
[Carol SliwaTechTarget]

 オンラインゲーム向けのレンタルサーバを提供するGPORTALは、メインメモリの拡張に当たってIntelの永続メモリモジュール「Optane」を採用した。

 各オンラインゲームの要件に応じて、GPORTALは異なるCPUを搭載するさまざまなサーバを使用している。

異なるCPUとメインメモリ、Optaneの動作モードを使い分け

 Optaneを使用するに当たって、同社は新たにIntelのプロセッサ「Xeon」の第2世代を搭載するDell Technology製のサーバを購入した。同社はAMD(Advanced Micro Devices)製CPUを搭載するサーバも約200台所有している。ただしそのサーバではOptaneを使用できない。Optaneを利用できるプロセッサはXeonのみだ。

 「Minecraft」はGPORTALがホストするオンラインゲームの中でも特に人気があり、CPUとメインメモリの要件が厳しくなる。同社はMinecraft用のサーバとしてDell Technologyの「PowerEdge R640」を使用している。このサーバは、Intelのプロセッサ「Xeon Platinum 8268」と、12個のOptaneを搭載する。同社がホストするオンラインゲームの中で、このサーバスペックを必要とするものは5種類に満たないという。

 Optaneには「Memory Mode」と「App Direct Mode」という2つの動作モードがある。Memory Modeの場合、Optaneは揮発性メモリとなるのでサーバの電源がオフになるとメモリはデータを失う。GPORTALのCEO、ロベルト・オメツォーリ氏は「このモードはアプリケーションに変更を加える必要がなく使いやすい」と話す。DRAMがアクセス頻度の高いデータのキャッシュメモリとして機能する一方で、Optaneはメインメモリの容量を増やす役割を果たす。

 App Direct Modeの場合、Optaneは永続的にデータを保有する不揮発性メモリとなり、揮発性メモリはDRAMのみとなる。Optaneを不揮発性メモリとして使用するには、アプリケーションやOS、仮想化ソフトウェアに変更を加える必要がある。

 GPORTALはOptaneを揮発性メモリと不揮発性メモリの両方で使用している。今後同社はリレーショナルデータベース管理システム「MariaDB」用のサーバでもOptaneのApp Direct Modeを使用する計画だ。オメツォーリ氏はこれによるメリットについて「不揮発性メモリならサーバが停止状態に陥ってもデータベースの整合性には影響しない」と述べる。

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